山のエッセイ3060  up-date 2002.12.25 山エッセイ目次へ

趣味と費用
しがないサラリーマンにとって、かなり無理をしたとしても趣味にかける費用の限界は知れものだと思います。テレビで「あなたのお小遣いはいくらですか」なんて言うのをやっているのを見たことがあります。身に染みる不景気風の中、1万円とか2万円がせいぜい、5万円以上なんていうのは滅多にないようです。

ところで登山はお金のかかる趣味でしょうか、それともその逆でしょうか。
日本100名山志向の人気からして、国内の隅々まで足を延ばす登山者も多くなっていると思います。交通費だけでもかなりの額になります。安上がりの方法もあるでしょうが、長い休暇の取れる夏休みに北海道の山へと考えるとき、飛行機の割引もあまり期待できません。2〜3座登頂のツアーでも10万円では足りないかもしれません。
山小屋に泊まれば一泊8000円。住まい付近の里山ばかりを登っていれば費用のことはたいして気になりませんが、趣味というのは昂じてくるとだんだんお金がかかるようになるというのが本当のところだと思います。

私が日本100名山を登り終ったときに、記憶をもとに費用の概算を試みたことがあります。妻が同行したケースもあって、二人分の費用がかかったりしていますから、そのあたりも補正したとしても、ごく大雑把にしか算出できませんでした。私一人で200万円ほどはかかったのではないかと思います。(10年も前のことですから不確かな記憶です)
日本100名山を満3年で登りました。3年で200万円という勘定です。登山というたった一つの趣味だけでこれだけの費用を要したというのは、我が家の経済に与えた影響は大きいものがあります。

1回だけ北海道の山へ登って「ハイ登山はこれでおしまい」とはなりません。次々と山の頂をめざして趣味は深みへとはまっていきます。昂じて日本300名山とか、海外の山も・・・なんていうことになると、これはもう大変なことになります。

上を見ても、下を見てもきりはありませんが、登山というのは決して安上がりの趣味とは言えないようです。 登山に限らずこれが趣味というものだと思います。