山のエッセイ3063  up-date 2003.01.30 山エッセイ目次へ

三角関数
登山に“三角関数”なんて何の関係があるの?
まったくその通りです。サイン、コサイン、タンゼントというわけのわからないあの数学、今思うとあのあたりから数学に行き詰まり数学嫌いになってしまったような気もします。

『一等三角点の100名山』−(一等三角点研究会選定)−というのがあって、2年ほど前にこれを完登しました。最近三角点といものに関心が強くなり、できれば三角点のある山へ登りたいと思っています。
三角点にも一等から四等まであり、ほかに『基線』というものもあります。

明治時代に日本全土の精密な地図を作るための測量が始りました。そのとき測量の基礎となる「基線」といものを作りました。平坦地に長さが3、4キロのきわめて正確な直線を決めます。精度は100分の1ミリです。季節、晴天、雨天など条件を変えながら測量をくり返して長さが決定されました。

基線の長さが決まると、次にこの基線を底辺として、見通しの良い山頂などに目標点を設けて測量を開始、ここで三角関数(三角測量)が登場するというわけです。この目標点が一等三角点で、底辺と目標点との角度から距離を割りだすと、それを底辺としてまた次ぎの目標点へと網の目のように一等三角点が増大していきます。
一等三角点網はだいたい25キロ間隔で、二等は8キロ、三等は4キロ、四等は2キロというよに標高点が設置されていきました。

これからが本題です。
前述の『基線』は全国に14ヶ所作られました。本州には神奈川、静岡、滋賀、鳥取、山形、長野、青森の7ヶ所です。これを元にして網の目が広がっていったのです。
長野にある基線は、私の住んでいる長野市に隣接した須坂市にあって『須坂基線』と言います。
須坂基線を底辺として最初に目標点である一等三角点が設置されたのが、先日(1/16日)に登った井上山と、昨日(1/29日)登った雁田山です。次ぎの増大点が髻山と根子岳、さらに聖山、岩菅山と増大していきました。
私の住むところがそうした環境にあることを知って、一挙に三角点への関心が高まりました。

私が三角測量をやるわけではありませんが、三角関数をもう一度詳しく理解しなおしてみようと思ったのですが、いやあ難しいですね。