山のエッセイ3067  up-date 2003.03.24  山のエッセイ目次へ

山を歩く体力
山登りに限らず『あの人は体力があるからなあ』という言い方をよくします。
心肺機能に優れていて、力もあり持久力もあり、反射神経も良くて・・・というような人を指して言う場合が多いと思います。スポーツの分野はもちろん、体力を要する仕事など体力差というのは結果にも大きな差であらわれます。仕事の方に関しては最近では体力的な部分は機械が代替しますから、昔とは様子が違ってきていると思いますが。

私の趣味の山歩きは何と言っても脚力、そして心肺機能です。
ところがこの両方とも60才を境にして、右下がりの傾向をとみに早めている感が強いのです。
脚力の低下現象は自分自身でも疑いたくなるようなことがしばしばあります。山へ出かける前に案内書や地図による高度差などで、おおよその歩行時間を想定します。従来は案内書の70%ほどの時間で歩くのが普通でした。それは息せき切って歩くのではなく、私の足で普通に歩くとその程度で歩けていたということです。それに2日分の行程を1日で歩くことも、そんなに苦になりませんでした。

最近ではそのつもりで出かけても、普通に歩くと案内書に近い時間がかかりますし、少しペースを落として歩くと案内書並の時間がかかるようになりました。そうとう脚力が低下しているのがわかります。このまま行くと、近い将来案内書並の時間を要するようになり、次にはそれを上回るようになるのだと思います。
2日の行程を1日で軽く歩いてしまったなんて言うのは、遠い昔の信じられないような話として、記憶の世界だけのことになってしまうのが間近に迫っているようです。