山のエッセイ3068 up-date 2003.04.12 山のエッセイ目次へ
ごく最近になって、ときどき何人かのグループで山登りをするようになりました。しかし主流は依然として単独行で、どこの山岳会、ハイキングの会などにも入っていません。 長年単独行を旨としてきた私は、小回りの良さだけは抜群でした。サラリーマン現役のころ、勤め先から帰り明日は休日、特別な用事や予定はない、さてどうしよう。 当時はインターネットで天気を調べるなんていう器用なことはできませんでしたから、頼りはテレビの天気予報、それで確認してから明日の行動を考えるというわけです。 ただ、九州、北海道をはじめ遠方の場合はそう簡単にはいきませんが、行き当たりばったりで出かけることはしょっちゅうでした。 無計画そのもの、かなりいい加減であることは確かです。言い方を変えればそれは“小回りのよさ”でもあるわけです。 日帰り山行の用意はいつでも出来ていますから、準備に時間がかかることはありません。思い立ったらすぐにでも出かけられます。 これがグループならそうはいきません。何日も前からプランを相談し、行く先や、待ち合わせの時間も決めなくてはなりません。持ち物はどうするか、雨の場合はどうするか、当日は時間に遅れることはできませんし、歩きだせばペースも休憩も考えなくてはなりません。 単独だと、思い立ったその日の朝でも出かけられます。行き先も天気予報の良さそうな方面を選ぶこともできます。このように前夜、あるいは当日の朝行き先を決めて出かけた山は、これまでにかなりの数になります。 この小回りのきく単独行は、私には捨てがたい魅力ある登山スタイルで、これからもずっと続くものと思っています。 |