山のエッセイ3069  up-date 2003.05.23 山のエッセイ目次へ

三角点探しの楽しみ
近ごろ、山へ登って山頂へ着くと、まず三角点が気になります。
すべての山に三角点があるわけではありませんが、三角点があると「ああ、山頂まで来たあ」そんな気持ちにさせてくれます。逆に三角点のない山は、何となく忘れ物でもしたような物足らなさを感じます。

先日、佐久市の「根岸」という一等三角点へ出かけました。三角点は必ずしも山頂だけというわけではなく、平地にもあります。「根岸」は山というより丘陵の一地点にあるような三角点です。
地図で調べると、20分か30分もあれば到達できると思ったのですが、3時間もうろついたあげく発見できずに帰ってきました。
10日ほどおいて再度探しに行きました。1時間半ほど探し回ってようやく見つけることができました。
道もなく、また展望もない林の中に、御影石の三角点標石が忘れられたように頭を少しだけ地面からのぞかせていました。
「ついに見つけたゾ!」そんな感激がありました。
“私が見つけた、私だけの三角点”そんな気持ちです。

決まりきった山頂を目指すだけの山歩きとは、また一味もふた味もちがった楽しさ、喜びを感じた一等三角点探しでした。