山のエッセイ3071  up-date 2003.07.24 山のエッセイ目次へ

地図のこと(その2)
初心者向けの登山指導書や雑誌の記事には、山へ登るときには『地図必携』が条件のように書いてあります。私もその意見には賛成ですし、それを勧めたいと思います。

ところが地図を持って出かけたものの、一度も開かずに帰ってくることも稀ではありません。山頂で山座同定をするときに使うだけで、本来のコース確認などのためにはまったく使わずに済んでしまうことが実に多いのです。
ポピュラーな山は道標完備が進み、地図無しで何の不自由もなく歩けてしまうのです。

地図を読みなれた人ですと、5万図をじっと眺めているだけで、3次元の立体像となって見えてくるなんていうことを聞いたことがあります。私はそこまでいきませんが、家で時間のあるときに、地図を飽かずに眺めているということがときどきあります。

私の地図利用法は登山前の準備段階での活用が一番です。
高度差、起伏、行程距離を読んでコースを決め、おおよその所要時間を推測します。岩場・難所の有無などでかなり違いますが、高低差が一番の感心事です。ガイドブックで高低差まで書いてあるものはあまりありません。でも私にはこれが一番知りたいこと柄なんです。これがわかればこの山行の体力負担の見当がつくのです。

地図はたくさん持っていますが、本当のところは有効に活用しているとは言えないようです。