山のエッセイ3077  up-date 2003.11.12  山のエッセイ目次へ

350ml缶ビール500円
先だって、北沢峠から仙丈ケ岳へ登ったときのことです。
予定どおり山頂を往復して北沢峠へ下山しました。長谷村へのバスは1時間ほど待たなくてはなりませんでした。そこで時間つぶしにビールでも飲もうと思って長衛荘をのぞいてみると、街中同様に自動販売機が玄関前に置いてありました。
“便利になったもんだ”なんて思いながら硬貨を投入しようとして思わず手を引っ込めてしまいました。金額を見ると、何と350mlが500円。

北沢峠というのは自動車も通える、ちょと不便な村外れというに過ぎない立地。必要物資は特別な労力もなく大量に運んで来ることができます。
ヘリコプターやボッカで荷揚げしている不便な山小屋とはちがいます。そのような山小屋でも500円か550円です。街中と同じ値段でとは言いませんが、あまりに足許を見たやり過ぎ商法ではありませんか・・・・。たまたまそこにジュースを買おうとしていた娘さん「どうしてこんなにに高いのかしら」なんて言っていましたよ。
世の中には“納得的”という言葉があります。一般の観光客もバスでどんどん上がって来る、いわば観光地です。
その娘さんに限らず、誰だって「この場所で、どうしてそんな値段なの?」と言いたくなります。

そりゃあ、山を守り、登山道を整備し、それなりの目に見えない日ごろの努力はあるでしょうが、それとこれとは別。あまり露骨で見え透いた商売っ気を出し過ぎるのも、私の財布が痛むというより先に、何だかさもしさが感じられてしまいます。
泊ったことありませんが、多分この長衛荘、評判は芳しくないのでは・・・なんて想像してしまいました。