山のエッセイ3080  up-date 2004.05.05  山のエッセイ目次へ

雪山賛歌
♪雪よ岩よ われ等が宿り  俺たちゃ街には  住めないからに

この歌は山登りが趣味でなくても、たいていの人が知っていると思います。「雪山賛歌」という歌の一番の歌詞です。

屁理屈のような話ですが、このフレーズを聞くとちょっと感じるものがあるのです。
私も趣味として山にかかわるようになってから17年ほどになります。年間に60〜80日ほど山へ登ったりしています。山でいろいろな人と会ったり、親しくなったりする機会もたくさんあります。中には10年以上親しくさせていただいている方もいます。

山でのさまざまな出会いを通して、けっこう変わった人にもぶっつかることがあります。
話し掛けても知らん顔、挨拶もろくに出来ない人、山小屋でカラをかぶったカタツムリのようにしていて馴染めない人、お前らみたいな新米登山者なんか相手に出来ないという見下した態度、あるいは優越感をあからさまに見せる人など。

特に感じるのは、山のベテラン風の人の中には、一般社会の常識からはどこか一歩外れていそうに見えることが多々あることです。登山家、登山愛好家としては知識も技術も一流なんでしょうが、一般社会の中で協調して行くのはむずかしのではないかと思える人も結構目にしました。
わが身を省みたりしたとき、登山というのは「挑戦」であると同時に、ときには街に住めない者の「逃避」なのかなあ・・・なんてふと思ったするのです。