山のエッセイ3085  up-date 2004.10.20  山のエッセイ目次へ

新日本百名山?
先だって岩崎元郎氏による「新日本百名山」なるものが公表されたのを新聞で目にしました。
日本百名山といえば深田久弥氏によるものが定着しているし、日本200名山も、日本山岳会の300名山も深田氏の100がベースになっています。

誰がどのように選定しようが、別にどうでもいいのですが、ただ『名山』という言葉を使って公表するなら、それなりに大方の納得が必要ではないかと思うのです。各地方にも××百名山などが流行ですが、それなりにその地方で親しまれ、名の通った山が選定されているように思います。

岩崎氏の100はどうもピンときません。なぜでしょうか?
それは「名山」という語を使ったことが不自然なんだと思います。名山とは辞書によれば「名高い山」とか「立派な山」というように出ています。ここで言葉尻にケチをつけるつもりはないのですが、日本百名山と言うからには「名山」という言葉に耐え得る山でなくてはならないと思います。

岩崎氏の選定基準は「シルバー世代も無理なく楽しく登れる山、全都道府県を網羅する」ということだそうです。この基準を持ってこの100山に「名山」と冠すること自体に無理があるような気がします。

奇を衒(てらう)うような100名山などとはせずに『シニアのための日本の山100』とか、惑わせないような名前のつけ方を考えるべではなかったでしょうか。紛らわしい呼び方に一考が欲しかった気がします。

むきになって文句をつけるわけではなく、リストを目にしてふと感じたことです。

≪追記≫
私も1200近い山に登ってきた結果、深田100の中でもいくつかは入れ替えてみたいと思う山はありますが、選定時の時代背景とか、彼の著を熟読することで、これはこれで十分納得できる選定だ思ってます

(深田百名山から外した山、新たに入れた山48座を下記に掲げておきます)

【深田100名山から外した山】
羅臼岳 斜里岳 トムラウシ 十勝岳 幌尻岳 八幡平 早池峰山 飯豊山 
会津駒ケ岳 那須岳 越後駒ケ岳 巻機山 燧ケ岳 至仏山 苗場山 
火打山 高妻山 皇海山 奥白根山 武尊山 赤城山 草津白根山 浅間山
五竜岳 鹿島槍ケ岳 薬師岳 黒部五郎岳 水晶岳 鷲羽岳 常念岳
笠ケ岳 焼岳 美ケ原 蓼科山 甲武信岳 瑞牆山 大菩薩嶺 空木岳
恵那山 北岳 間ノ岳 悪沢岳 聖岳 光岳 伊吹山 大峰山 霧島山 宮の浦岳



【岩崎氏が新たに選んだ山】
礼文岳 藻岩山 恵山 大尽山 白神岳 七時雨山 栗駒山 秋田駒ケ岳
太平山 霊山 一切経山 奥久慈男体山 荒船山 鳥場山 天上山 神山
ドンデン山 富山朝日岳 人形山 農鳥岳 櫛形山 志賀山 唐松岳
爺ケ岳 燕岳 岐阜大日ケ岳 沼津アルプス 鳳来寺山 武奈ケ岳 愛宕山
岩湧山 六甲山 氷ノ山 大峰釈迦ケ岳 和歌山烏帽子山 三瓶山 蒜山
広島弥山 東鳳翩山 飯野山 稲叢山 英彦山 黒髪山 普賢岳 由布岳
高千穂峰 永田岳 於茂登岳

(この中で私が登ってない山は16座あります。それが名山に値する印象の山か
どうかはわかりません)