山のエッセイ3086  up-date 2004.11.07  山のエッセイ目次へ

山の名前(3)
山の名前もその気で見てみるとけっこう面白いものです。

先日、山梨県の『源氏山』へ登ってきました。“源氏”があるのなら“平家”だって。それがちゃんとあるのです。岐阜県に『平家岳』というのがあって、何年か前に登っています。

“駒”、つまり馬ですね。この山名もたくさんあります。日本山名辞典を開くと、ざっと25ほどあります。甲斐駒ケ岳、木曾駒ケ岳、会津駒ケ岳、越後駒ケ岳など有名な山がかなりあります。私の弟は全国の駒ケ岳を制覇すると言って、もう大方登り終わったようです。
ところが“駒”のつく山はなぜか西日本にはほとんどなくて、東日本に片寄っています。どうしてかわかりません。西日本にだって昔から馬はいっぱいいましたよね。不思議です。

同名の山の多さでは多分“烏帽子”のつく山ではないかと思います。昔の人がかぶっていた、烏帽子という背の高い黒い帽子に山の形が似ているところからきているようです。確かに烏帽子とつく山は、そのような形をしています。これも山名辞典によれば72あります。こちらは北海道から九州まで存在します。標高のいちばん高い烏帽子は南アルプスの烏帽子岳で2704mです。私の登った烏帽子は7つだけです。
いつだったか、烏帽子岳に登ったことをホームページに書いたところ、佐世保に縁のある方から「佐世保に行かれたのですか、佐世保富士と呼ばれています。きれいな山だったでしょう」というメールをいただきました。実はそのとき私の登ったのは長野・群馬県境に近い烏帽子岳だったのです。山名辞典以外にも烏帽子という山はまだまだあると思います。
山に興味がなくても、誰でも烏帽子のつく山を一つくらいは知っているということでしょう。

長い山名、きれいな山名、またその逆など山の名前もけっこう奥が深そうです。

山名とは関係ありませんが、各都道府県別の最高峰を調べると、いちばん低いのはどの県だと思いますか。「東京都」なんて思われる方がいるかも知れませんが、何と東京都には標高2017m、雲取山という堂々たる山があります。最低は千葉県で標高408mです。