山のエッセイ3088  up-date 2005.03.28  山のエッセイ目次へ

定年後の山歩き
定年でサラリーマンをリタイアしてから8年が過ぎましたが、私の山行で大きく変った点が一つあります。

家内に「天狗様して来ないでね」なんてしょっちゅう言われていたように、まるで天狗が山を駈け歩くような無理なことはせずに、時間だけは十分にあるのですから、のんびりと山歩きを楽しめるようになっていればけっこうなことなんですが、この点はまだ昔の歩き方が尾を引いていて、「のんびり」の心境には達していないことを、自分としても認めざるをえません。

大きな変化は原則“天気のよい日以外は登らない”ようになったということです。
現役サラリーマンのころは土日祝日などは値千金、この上もない貴重なものでした。雨が降ったから山へ行くの止めた〜なんていうもったいないことはとても出来ませんでした。すでに計画を立てていれば台風まがいの中でも出かけて行ったこともあります。
毎日が日曜日の今は、何も天気の悪い日に出かける必要はありません。天気が悪かったら翌日行けばいいのです。たとえば東北や北海道へ10日とか2週間とか長期に出かけるときは、雨が降っても登るのはしかたありませんがこれは例外です。

昔は雨具着用の登山は毎度のことでしたが、考えてみると最近では風よけに使うことが多くて、雨対策で着ることはめったにありません。 ザックに入っていても雨具の出番はほんとうに少なくなりました。
風雨に顔をそむけて歩くようなことはなくなったので、景色を眺めたり、花を愛でたり、山の楽しみもいっそう充実してきた気がします。天狗様の方も早いところ卒業しなくては・・・・。