山のエッセイ3097  up-date 2006.01.31 山のエッセイ目次へ

冬場の低山歩き
私が登山を始めるきっかけについては、語れば長い話になってしまいますので省略しますが(http://www.roy.hi-ho.ne.jp/h-nebashi/framepage4.htmにそのわけを少し触れています)、49歳のとき、今から19年前に山へ登りはじめました。
それまでもたまには知り合いに誘われたりして丹沢、白馬岳、妙高山、越後駒ケ岳などいくつかの山に登ったことはありますが、それは単なるレジャーの延長線でしかありませんでした。

当初、日本100名山に憑かれたように登りだしたのですが、冬場には雪のある高い山は私には無理です。住まいから近間にある東京近郊日帰りの山を毎週末のように登り歩きました。
つまりそのころから『名山』と名づけられたメジャーな山と、里山・低山と言われるマイナーの山を夏冬で使い分けていたわけです。

それが私の登山スタイルとなって名山は名山とての風格に触れ、一方マイナーな山にはそれなりのゆったりとした楽しみ方のあるのを知るようになりました。
私と同様、冬の低山を楽しむ登山者はたくさんいますが、一方冬になるとバタッと山歩きをやめて冬眠に入ってしまう登山愛好家もいるようです。ところが冬こそ里山や低山の楽しみが味わえる季節だと思うのです。夏には暑くて歩く気にもなれないような低山でも、冬になれば登山に差し障りないほどの雪の上に動物たちの足跡が、そして茂っていた木々の葉も落ちて木の間越しには眺望を楽しむことも可能です。雪深い高山に登れなくても、ちょっとした低山からでも北アルプスや南アルプスなど、白銀に輝く連嶺を見ることができます。それは夏に眺めるものとは別世界の眺めです。冬でも楽しみはいろいろあります。

夏冬使い分けたそんな登り方を19年間続けてきたおかげで、低山・里山・中級山岳、高山それぞれに味わい方のあるのを知ることができました。
関東百名山、山梨百名山、信州百名山などを案外早く完登出来たのも、夏だけでなく冬は冬なりの山を選んで登っていたことが役に立ったのだと思います。
もちろんそれぞれの百名山を最初から意識していたのではありません。気がついて調べてみたらかなりの数を登っていたことが分かったわけですが、それは冬場に登った山がけっこう多かったのです。あとは意識して残りを消化しただけです。
今も冬場に無理なく登れそうな山を探しては出かけています。