山のエッセイ3103  up-date 2006.11.03 山のエッセイ目次へ

生涯1500座の夢

山登りを始めたのは1987年、19年前のことで50歳のときでした。直腸ガンにより人工肛門となったのがきっかけでした。肉体的な障害を持ってから体力勝負の登山を始めるというのも、これまた自分らしいと思っていますが、他人様の目には変わり者と映るかもしれません。
当初は日本百名山のうち30座ほど登れればいいと思って始めましたが、3年でその百座を登ってしまい、以来山に取り憑かれて19年間各地の山を登り続けてきました。

登った山が500座となったころから数を意識するようになり、多分無理だろうが生涯で1000座登ることができたら素晴らしいだろうなあ、そんな思いを抱くようになりました。ところが1000座をクリアしてしまうと、次は1500座。50歳を過ぎてから始めた登山、それはいくらなんでも無理、でも夢だけは持っていよう、老境に向かう私のロマンとでも言っておきましょう。

先月(20006.10月、69歳)、その1500に達しました。これは自分でもちょっと驚きです。
日本300名山をはじめ、××百名山などという一応メジャーな山はかなり消化が進み、最近は小さな里山や低山をよく登ります。そのために数がどんどん増えていったということもあります。

それにしても良く登ったものだと思います。50才過ぎの人生は登山に尽きます。率直な気持ち『もう充分登った』という満足感があります。燃え尽き症候群ではありませんが、何か新しいものに取り組みたいというそこはかとない意識が芽生えています。その芽生えは水彩スケッチに向かっています。70の手習いで手をつけた水彩画ですが、気持ちはかなり集中しています。

山歩きを捨てるつもりありませんが、これまでのような頻度の高い登山はもうおしまいです。
振り返るとこの20年間は私の人生の一時期を画した価値ある登山三昧の日々でした。

登った山の数え方はいろいろあると思います。私の数の中には他人様から見て「それを1座と数えるのはどうかねえ・・・・」という異存も当然あります。
私としてはそんな異存も考慮、50座を上乗せして1550座に達したところで『1500座』を宣言したいと考えています。多分来年中には手が届くと思います。