山のエッセイ3104  up-date 2007.03.23 山のエッセイ目次へ

三角点標石のこと

あるハイキング愛好家のHPにこんな写真がありました。
参加者全員で三角点を踏む。(恒例になりましたね)』
というコメントがついています。



これは三重県伊勢、朝熊ケ岳の一等三角点です。つい先日、三重県の一等三角点めぐりのおり、私も朝熊ケ岳も訪れました。所在を探すのに骨が折れましたが無事探し当てることができました。

帰宅後朝熊ケ岳一等三角点をネット検索していてこの方のサイトに行きあたりました。
その中に数人と思われる方々が標石に足を載せている上記の写真があり、とても違和感を覚えました。これが恒例と書かれています。
山を歩いている方はよくご存知ですが、標石の傍らには『三角点を大切にしましょう』と記された白杭が立っています。多分強く踏み付けるわけではないと思いますし、蹴飛ばすわけでもありませんから、少なくても傷つけるようなことはないと思いますが、『大切に』というイメージとはそぐわない、かけ離れたものを感じます。違和感というより異常感と言った方がよいかもしれません。

私は一等三角点めぐりをはじめ、山頂に立って三角点を見るととてもいとおしい気分になって、ついやさしく手の平で頭をなでたり、土で汚れていれば手で拭き払ったりします。すでに全国1500座以上の山を登っていますが。損傷の目立つ三角点標石も数多く見受けます。この写真からは損傷に加担しているようなイメージさえ感じてしまいます。

決して傷つけているとは申しませんが、写真のよううな行為は『大切に』という願いとは相反するもので、決して好ましいものとは思えません。ましてやこのような写真をネット上に公開する無神経さは憚られてしかるべきもののような気がします。足ではなくせめて手を触れている写真であってほしかった、そう思います。

気になるというか、私の感覚では見過ごすことは出来ないという思いで書かせていただきました。