山のエッセイ3109 up-date 2010.9.06 山のエッセイ目次へ
富士登山が沸騰しているらしい。私が登ったのは2回だけ。 1988年7月 スバルライン5合目からピストン 往復6時間35分 先月八ケ岳赤岳から見た富士山、2日前北岳から見た富士山、“秀麗”という名に恥じない日本一の山であり、日本の代名詞とも言える山である。 ところでその富士山だが、もう一度登りたいと思ったとはない。 展望は360度、確かによく見える。しかし山岳展望の感動とか迫力は感じない。迫るものがない。距離があり過ぎるのだ。アルプスも八ヶ岳もすべて箱庭の中の小山のようでしかない。飛行機から見おろしている感じを想像すればいい。天城山や御坂山塊はただの丘のよう、そしてあの端正な斜面は実は赤茶けた地肌剥き出しの荒涼たる様相。 私には“日本一の高所に立った”という満足感しか残らなかった。御坂山塊あたりから眺める冬富士だったら、何回見ても飽きることはない。 それにしても富士登山のブームはすさまじいものがあるという。今や観光の山と位置づけられているのかもしれない。 富士登山ブームにケチをつけているのではありません。
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