グレイシアー・ベイ紀行(その5・シー・オッター)

トローリングで、
次々ピンクサーモン
を上げるカズ。
型の良いオスをキープ。
白子の刺し身だあ!

旅にでてから4日目の朝。本日もクジラ君の訪問を受ける。
昨日ゆっくりした分、早朝出発にした。午前中の上げ潮を捕まえる。
朝の気持ちいい空気の中を元気に北上を再開。

ピンク・サーモンが釣れるとわかってからのワレワレの釣り攻勢はすさまじかった。
10km漕ぐ間にカズはピンクを10匹程ゲット。大きなオスをキープしたようだ。
オイラも4匹かかった。みんな逃がしてやる。
岬から岬まで何も無い海を漕ぐ。普通は退屈でしかたがないルートだが、釣りと時々顔をだす可愛いラッコのおかげで、楽しい航海となった。ラッコは好奇が心旺盛で、フネのまわりをクルクル移動しながら、チョコチョコ顔を出す。お腹には貝を抱いているのもいる。体をひねる仕種が愛らしい。

上げ潮が止まる正午過ぎにpuffin Islandの手前の小島に上陸。
再び上げ潮に代わるまで、白子の刺し身をツマミにビール、ビール。漬け込んだイクラ丼がうまいのなんの。幸せな気持ちで本を枕に昼寝してしまった。
西日になってから出発。途中、底釣りで、マダラ、クジメ、カジカ、ドンコをゲット。鍋の材料も確保した。この日も熊がいない小島まで漕いで、魚食い散らかしキャンプ。遊び疲れて爆睡。

5日目。うす曇り。いよいよカズとお別れだ。
今回、ここまで、釣りや宴会をしながらこれたのはカズのおかげだ。
僕一人では、先へ先へと急いでしまい、こんなに楽しい時を過ごすことはできなかっただろう。
空気のように気にならず、自分のことは自分でできる旅人だったので、良い相棒だった。
カズはキャンプ地近くのMt.Wrightというポイントから、バートレット・コーブキャンプ場へと引き返し、僕はいよいよ、氷河を目指して単独行の開始となる。
早朝からシーカヤッカーが集結し、ピックアップ地点はにぎやかだった。
自作の木目が美しいシーカヤックの親子。テンガロンが良く似合うアンちゃん。
少しの間の邂逅だったけど、魅力的な人たちばかりだった。
カズと握手。別れを告げる。
ピックアップの遊覧船が去ったあと、僕の手にはジン・ビーンのボトルが残された。
カズありがとう!

たった一人の孤独感。そして開放感。
遊覧船が見えなくなったのを確認してから、小躍りした。
さーて出発だあ!!
ミュア入り江に向って奥深く入っていこう!
途中、2頭のザトウクジラとランデブー。カヤックと遊んでくれた。
漕げるだけ漕いで、フォレスト・クリークの海岸に到着。
明日は、いよいよ氷河にたどり着ける。
グリスリーにおびえ、久々の一人での焚き火を堪能してからシュラフに潜り込んだ。