クィーンシャーロット諸島Day3(7/25)

バナビーナローズとザトウ・クジラとの邂逅


昨日の天気予報では風速40mの大荒れの予報が なぜか、快晴無風の朝を迎えた。 昨夜、安眠を妨げたアライグマたちがぴょこぴょこ でてきて、あさりを取って食べている。

負けずにこちらも砂抜きした巨大アサリの味噌汁だ。 すげー旨いナあ。

(あれ?タシカココッテ???赤潮警報の貝毒地点じゃ  On Your Own Risk!)

ガイドが本職のChiggyはアサリの身は食べずに汁のみ。 オイラも大事をとって、貝柱と本体しかたべなかった。 んが、Ryuのオワンの中には、殻しか残されていなかった。 さすが江戸っ子、気風がいいね。

さて、本日は、今回のルートでも楽しみにしていたバーナビー ナローズをいよいよ通過する日だ。

バナービーナローズとは、二つの海をつなぐ細い細い水路で、 一番狭い箇所は幅数mの小川のようになってしまう場所だ。 大潮の干潮の時には、もちろん水がなくなってしまう。 最も浅い場所は、両側から時間差で潮が上がり下がりする。 そこは、NCKの村田番長からの極秘情報2の ウゴウゴ蟹カニウヨウヨ地点でもあるのだ。

ナローズに入る前に、北上してくるパーティとすれ違った。 カヤックのスターンにギターをくくりつけていたりして面白い一行だ。 彼らの笑顔がこれからの僕らの旅を面白さを保証してくれる。

そして、いよいよバーナビーナローズに吸い込まれた。

バーナビーナローズ

時間も干潮とぴったりあって、どんどん狭くそして浅くなる水路はまるで 川のようだ。ひき始めた今は、緩い逆流となっていた。 海底をみると、色とりどりの可愛い形をしたヒトデだらけだった。 巨大なトゲトゲナマコもいる。 そして、狙いのレッドロッククラブも。 いままでみたことがないような巨大サイズだ。 一人1匹づつゲットして夕飯に確保。

どんどん潮が引いて水深が浅くなり、通行不能になったので、 カヤックからおりて、フネを曳いた。 Ryuが夢中になって蟹をおいかけている姿をVTRに収めていたら、 ここは歩いてはいけないと、オリエンテーションで釘をさされた ことを突然思い出した!

獲物に興奮し、我を忘れて、記憶がふっとんでいたのだ! やべー、一番浅い地点を通過したので、すかさすカヤックに乗り込み 難を逃れる。いやー、罰金ものでした。注意しましょう。 しかし、禁止事項がおおいなー。クィーンシャーロットは。。。

バーナビー海峡をぬけSkincuttle 入り江に入ったとたん強烈な西風の 洗礼をうける。しかし、本日の航路は東へとるので、西からの風は つごうが良い追い風だ。

本日はローテションで、シングル艇のパドルを握るRyuが良くがんばっている。 大丈夫?

「だいじょーぶ、です。動いていれば!」

重度の船酔いをするRyuは、停まるとやばいらしい。 昨日今日でけっこう漕いでいるので、疲労もでてきているハズだが、 山屋は、体力があっていい。安心してみていられる。 いつでも笑顔なのも、とってもいいね。 笑う門には福来(きた)る。

銅の採掘で栄えたJedwayの住居あとまで、一気に横断を敢行する。 8km近くを40分。かなり高速ペース。 潮にも助けられて横断は無事完了した。

Jedwayで、おそめの昼食をサンドイッチでとり、 いよいよ外洋へでるポイントにフネをすすめる。

潮の流れの速い、切り立った岩場は、釣りの絶好のポイントだ。 この岬で、今晩の食材用に釣りをする。 ワームを垂らしてすかさず、スズキをゲット。 その時、ピンクサーモンの集団がライズをしながらフネの下を通過。 ルアーをサーモン用のスプーンにスイッチして投げるが、時既に遅し。 その後、Ryuもスズキを、Chiggyは50cmオーバーのグリーンリング (アイナメ)を揚げてさらに南下。 本日は、スズキの刺身だ!ひゃっほほー。カニも大量!ふははは!

本日の釣果

Hotsprings島で出会った研究者や、ツアーのパドラーから聞いた情報では ここで、ザトウクジラに出会える確率が高い。

外洋にでてすぐ、Chiggyの声。

「ブロウが聞こえる!」

指す方向に注目すると、出た! ザトウクジラだ! 大きな体をくるりと丸めて海面をなでていく。

距離にして200mから100mか。 カナダでさまざまなクジラにであっているChiggyも ザトウクジラは初めてなので、興奮している。

もちろん、Lucky ManのRyuもだ。 しばし、ザトウクジラとランデブーしたのち、 本日の宿泊地点へフネをすすめる。

「会っちゃった〜。  ハンプバック(ザトウクジラ)にあっちゃった〜」

パドルの軽いこと軽いこと!

本日のテントサイトは景色は松島。テントサイトの巨木の森は いまにも妖精がやってきそうなくらいのレインフォレスト。 そして2本の美しいクリーク。

旬の魚、スズキの油がのった刺身の上手いこと。 カニとアイナメはホールトマトと煮込んでなんとブイヤベース。 キャンプでこんな料理を食したことがあったろうか。

てばやく美味しい料理を作ってくれるRyuがいて本当によかった。 Ryuは学校給食をつくる仕事をしているので、大量に手際よく つくることはお茶の子さいさいだ。

いつも、焚き火をおこし、薪で炊き立てのふっくらごはんを 出してくれるのがウレシい。

いつもは、お客さんの食事の世話に追われがちの Chiggyが

「ほんまやわー、わたし、こんなにのんびりさせてもらって  ええんかなー。ありがとー」

と、すでに、のんびりもーど。

サンドフライの襲撃を受けたりしたが、 グランビルアイランドのビールがうまいのなんの。 カニのダシの聞いたブイヤベースは絶品でござった。

幸せな日が本日も暮れていった。 美しい夕焼けに満天の星。北極星の高いこと。 天の川に大きく星が流れた。 いよいよ明日は難所のひとつ、BenjaminPointの通過だ。