バンクーバー島北東部・ジョンストン海峡・オルカの旅

バンクーバー島北東部
ジョンストン海峡・オルカの海

Western Johnstone Strait

オルカ(シャチ)は、キラー・ホエール、
ブラックフィッシュとも呼ばれる壮大な生き物だ。

海面から突き出したナイフのような黒い背びれ。
こんな生き物が200頭以上も住みついているワンダープレイス。
それが、ジョンストン海峡だ。

オルカは、とても遊び好きで、跳ねたり、しぶきを上げたり、岸辺の岩に背をこすり付けるのが大好きだ。シーカヤックは、オルカをもっとも間近で見ることができる。最初、この巨大な動物に接近するのをためらうだろう。しかし、オルカの親しみやすさに、すぐ安心を覚えるはずだ。時には、パドルの長さくらいの近さに近づくこともある。そのとき、最初に感じた恐怖心や不安はすっかりなくなっていて、ただ感動と興奮だけがそこにある。

この区域では、今まで舟乗りがオルカに傷つけられたという報告はない。ジョンストン海峡に生息するオルカは、レジデントと呼ばれる定住型のシャチだからだ。性格は比較的おだやかでRobson Bight(ロブソン浦)やBlackfish Sound (ブラックフイッシュ入江)に、たくさん集まってくる鮭を捕食している。通常5、6頭の群れで行動する。これに対してトラジェンドと呼ばれる移動型のシャチは、獰猛でアザラシだけでなく、トドやクジラまで襲うことがある。トドやアシカのコロニーの周辺を1、2頭で行動しているオルカがいたら要注意だ。

近年、このエリアとオルカはメデイアで有名になった。そのおかげで、人々の注意が注がれ、Robson BightのTsitika川河口付近にある手付かずの原生林を伐採しようとした企業に対して、一般市民の圧力を受けたBC州政府が、開発に猶予期間を置くよう指導した。ポートマクニールやテレグラフ・コーブの小さなダイバー・グループや研究グループが、Robson Bight とTsitika川河口の貴重な自然環境を保護するために何年も闘っている。彼らの成功はまだ完全ではないが、今も、西海岸に沿った自然保護グループに、影響を与え続けている。



オルカの海を漕ごう!

1)Johnstone Strait
ジョンストン海峡は平均の幅が2マイル(3.2km)の海峡。潮流がひんぱんに変わりやすいので、潮の把握が必要不可欠。ジョンストン海峡と Hanson島と、West Cracloft島の間のBlackney海峡には、多くの海上交通あり巨大なフェリーも行き交うので、注意。ジョンストン海峡のバンクーバー島岸は多くのビーチがあるが、ジョンストン海峡の北の側に接する島では不足している。

2)Robson Bight
Robson浦には、テレグラフ・コーブから1日のパドリングで着ける。潮に乗って航行しよう。浦には、貨物船やクルーズ船、材木運搬船の往来が激しいので、注意して航行すること。航路は絶対横切らない。

3)Tsitika River
エリアの保護のために、Tsitika River 河口のキャンプは避けることはもちろん、立ち入らないようにしよう。
焚き火はもちろん論外。人の痕跡を残さぬよう配慮したい。

4)Blackfish sound
ジョンストン海峡を横断してHanson島に渡る時は、早朝か夕方の風がおさまった凪がいい。風が強くなると海はすぐに荒れはじめる。Blackney海峡は潮流が逆転する。潮流が起こるとスタンディングウエイブが立つ。 Hanson島の北東にはポール・スポング博士のオルカラボ(研究施設)がある。

5)Mamalilaculla
Village島のMamalilacullaには、朽ち果て倒れたトーテムがある。Mamalilacullaを訪れる場合は、Campbell River にあるMamalilaculla indian bandでpermissionを取る。

2003年の航海日誌(たいちょおの2003年オルカを追う旅レポート)


ジョンストン海峡へのアプローチ
Nanaimo (ナナイモ)から北へ約350km。19ハイウエイをバンクーバー島の北西岸へドライブ。レンタカー利用が一般的。 Telegraph Cove(テレグラフ・コーブ)が、Robson Bightにもっとも近い発着場所。 Port McNeill (ポート マクニール)の約25km北岸からも出航可能。 Telegraph Coveは小さな集落で背後に迫った山の前に、入江にこぼれおちそうな家が海上の杭の上にたてられている。

Pacific Coastal Airlineが Vancouver から Port Hardy に毎日就航している。
Vancouver→Port McNeill→Port Hardyまでは、バス(グレイライン)が一日1本ある。
Port McNeillから、Port Hardy までは約35kmでバス(グレイライン)が出ている。

Port McNeillから、 Alert Bayまでフェリーが運行している。


ジョンストン海峡に関する情報・書籍
「宇宙船とカヌー」ケネスブラウアー著/芹沢高志訳(ちくま文庫)
「森と海の大地へ」芳地直美/松本茂高(月間Outdoor6月号2001年・山と渓谷社)
「バンクーバー島一周」辻井隆行(SEAkayakerNo4 2000年・えい出版社)
「カナダジョンストン海峡で海の動物天国を漕ぐ」西沢あつし
/(カヌーライフ2003春39号) 山海堂
「カナダ西部
/地球の歩き方」ダイヤモンド社
「Sea Kayaking Canada's West Coast」
Jhon Ince & Hedi Kottner (Raxas Books)$18.50
海図No:3659 Broughton Strait / 3568 Johnstone Strait
トポ図(キャンプ場、キャンプ適地、動物などシーカヤック情報図
上記3点エコマリン(Vancouver・Granville Island)で入手可能。


日本からのツアー

(株)ワイルド・ナビゲーション
2004年に行われる9日間のツアー出発日は7/31 。シーカヤックではなく、ハンソン島のオルカラボをで、オルカの声を聞くサウンドバムの旅。その他、テレグラフコブ発着のシーカヤックのアレンジ、飛行機やホテル、レンタルカヌー&カヤックの手配などの個人手配も行ってくれる。情報も豊富。宮田さんにアプローチしよう。
e-mail:
travel@wild-navi.co.jp

ワイルドナビ「ジョンストン海峡ツアー2001」
ワイルドナビ「ジョンストン海峡サウンドバム」
オルカの声に耳を済ませる旅ハンソン島滞在8日間 2002、2001のツアーレポあり

ノーザンライツEXP
1983年設立のアウトフィッター。日本人対応のデスクとガイドもいる。Webも日本語。Port McNeillまでのアプローチも詳しい。カヌーライフ39号で西沢あつし氏が紹介。


Stubbs Island Whale Watching
Box 7 , Telegraph Cove /Phone:(250)928-3185/3117
Telegraph Coveから出発するツアー。遭遇確率90%以上!?
1980年からオルカ観察ツアーを行っている。

Seasmoke & Sea Orca Expeditions
Box 483 , Alert Bay / Phone : (205)974-5525
ヨットで5、6時間のオルカウオッチ($70) にでる。船内には暖房、トイレ。お茶とマフィンのサービスもつく。水中マイクで「キュィーン」という哀愁を帯びたオルカの泣き声を聞ける。 Coromorant島のAlert Bayの海上がオフィス。Alert Bayには、ポートハーデイ手前の、Port McNeill からフェリーで約1時間。Alert Bayには、世界最大のトーテムポールもある。

現地(バンクーバー)からのツアー(日本語メール対応可)
CANA WEST TRAVEL
Canawest Travel Inc. #950-1040 West Georgia St.
Vancouver, B.C. V6E 4H1
Phone: 604-681-8181 Fax: 604-681-0809
e-mail
バンクーバーの宿泊手配やバンクーバー発のオプション・ツアー
(半日カヤック、日帰りでボーエンアイランドのカヤックとハイキング等)、
乗馬、フライフィッシング、サーモン・フィッシング、半日ハイキングなども催行。
個人や少人数でバンクーバーに滞在されるなら相談してみよう! ワイルドナビのツアーもサポート。

クラクワット・サウンド