街が無くなった。。。

石巻にて


遠征3日目。ボラ活動2日目にして、朝から体がバキバキ。 昨日の目覚ましパーティもお疲れの様子で昨日の元気がない。 みんながんばっているんやなあ。

昨日の夜は、棟梁のBBQブースでいろんな人たちと知り合いになった。 朝から、顔なじみと笑顔の挨拶。

消防団を21年やっていたというサイクリストのアンディー も棟梁の人柄と炭火の魅力にみせられた常連さんに。

職業柄、災害についての知識が深く 昨晩は、石巻の光景に言葉をなくしたという。

東松島市の東方にある石巻市は市街地が津波に飲まれ、 被害が甚大なところだ。

村山組の組長、村山さんは、災害の映像を見て、大阪の 友人横山シンジさんに、支援物資を上京途中で集めてもらい、 東京で合流して、震災1週間で、石巻に入ったことを 話してくれた。

「あれを、見て、なんとかせんと、あかんと思った。  実際行ってみたら、避難所には物資が届いていたけど、  そこへ物を取りに行けないおじいちゃんおばあちゃんが  たくさんいて、水を9日ぶりに配給してもらった  って。。。」

昼間、あんなにパワフルな村山さんの言葉が夜は重く 一言一言に、大きく考えさせられた。

ちょっと体を動かしたいなーと思っていたら、 今日はラジオ体操がかかった。 連休中日の今日。義援隊は総勢100名を越えた。

村山組の本日のオーダー。

NKさんの外壁の高圧洗浄。 KKさんの家屋の床板はがしと床下泥かき KNさんの床板はがしと庭の片づけ。 KYさんの廃棄家具の移動。

村山組の人員を簡単に紹介しておこう。

村山組長(東京)、棟梁(東京)、オイラ(千葉)
まっちゃん(千葉)、特使(千葉)、
アオヤマ山ノボラー(神奈川)、
ミヤザキさん(福岡)、
阪神タイガースヘルメットのテレマーカー和田さん(三重)、
博士のカクノさん(東京)、
モンベルの新添さん(大阪)、
トレイルランナーのシノさん(神奈川)、
プログラマーのアライさん(茨城)
高圧洗浄使いの紅一点ケルヒャー(神奈川)と そのイケメン彼氏(神奈川)。

総勢14名の大所帯(抜けている人がいたら、ごめんじょ)

オイラは、昨日の勢いで床はがし専門(この作業が 一番あぶなくて時間がかかる)になって、 KKさん、KNさんを担当した。

KKさんは松山千春にしゃべりと声が似ているトラック運送業。 不慣れなオイラを見て、床はがしのコツを教えてくれる。 ライダーなので、同じくライダーの村山組長、棟梁、オイラに けっこうしゃべってくれた。

お昼をKNさんに呼ばれた。手作りのおにぎりに カップラーメン。

ボランティアは手弁当が原則だけど、 出された好意もすべて受けるのが良いと思う。

遠慮は日本人の美徳のひとつだけど、 人は、誰かに喜ばれたいのだ。

お手伝いさせていただいているけれども、もし僕が 逆の立場であれば、何かしらの形でおかえしできたらと思うはずだ。

渋滞の中、遠くまで買いだしに出たりしてくださった。 大変な中での振る舞いは、心に染みる。

作業終了。 特使は今日で作業終了。松島の大観荘のボランティア パック滞在で明日、帰路につく。 キャンプ場で別れた。 いやはや、5日間も大変な作業をお疲れ様でした。

昨晩、アンディから聞いた石巻の景色をどうしても、 目にしておきたかった。

棟梁が、本日深夜バスで石巻から帰るアオヤマ山ノボラーを、 車で石巻に送るというので、それに、まっちゃんと 便乗させてもらっうことにした。

夕陽暮れゆく石巻。消えてしまった街。 ガレキの中を車で抜ける。 信じられない光景が続く。

一番奥の海がのぞめる河川敷で、車を止めてもらった。 車を降りた4人の仲間が、バラバラに散った。 足取りは重い。 みんなが、みんな一人になりたかったのだろう。

朝から夕方まで、埃とガレキ、粉じんや泥にまみれて、 協力してきた仲間たちだ。 2人は今回出会ってできた友人だけど、 気持ちがは痛いほどわかった。

涙をみられたくなかったし、見せたくなかったのだ。

目の前の光景に声が出ない。
原型をとどめない車たち。
乗り上げたフネ。
横倒しになった貯蔵タンク。
近代的な病院の周りには、 家の形を留めるものはない。

少し廃墟を歩いてみた。
思い出の写真が集められて野ざらしになっていた。

瓦礫の山のてっぺんで、およぐ小さな鯉のぼり。

海から振り返ると、恐らく津波が押し寄せた時に、 地域の人たちが避難したであろう高台に神社が見えたので、 登ってみた。

葉桜の桜吹雪越しに、見下ろした石巻の惨状に、涙が あふれてきた。