オラオラ隊ユーコン奮闘記(3)

ドーソンのカジノでコテンパン!


早朝に目が覚めた。

薪を割って、火をおこして ディータが日本語で連呼する「オフロ」(湯船があるわけではないので、ちょっと違うが)を沸かし、お湯を浴びてさっぱりする。 コーヒーを立てて、川を見ながら、のんびりしていたら、目の前を黒い犬のようなやつが走り抜けた。 黒くて細い精悍な顔。黄色い目。銀色の大きい尾が気になったが、 こりゃあ、犬じゃないぞ。

「オオカミの子供がいる!」

と大騒ぎで、まだ寝ているみんなを起こしてしまった。 あとで、ディータに聞いたら

「ありゃあ、キツネだよー。ここに住み着いているだよ」

とのこと。 いやはや。とんだオオカミ中年になってしまった。

お風呂を沸かしているときに、一人の日本の青年にあった。 一人で、ドーソンまで下ってきたという。名前はユースケ。 しばらく日本人にあっていないらしい。

次から次へとハナシかけられる。 しばらく日本語で話していなかったんだなあ。 ディータから6人も日本人がくると聞いて、まっていたらしい。 これまでずっと雨が降り続いて寒く、何もする気がなかったとのこと。 大丈夫。ワレワレにはタカタカという晴れ女がいる。

「これからはずっと晴れるよ」

と、励ました。 ユースケはニュースジャパンの作成に携わっていたようで、 滝川クリステルとは 飲み友達なんですよーとか羨ましいことを言う。

「その飲み会に、今度はオイラを誘いなさい!」

というと、イマはもう仕事をやめて この旅を終えたら、ハワイのマウイ島に移住し、奥様と暮らすんだ〜などとこれまた、羨ましいことを言うではナイカ。このやろ〜!!

カヌー旅で仲良くなったオランダのカップルに挟まれるユースケ

まだ二十歳台だというユースケ。 後ろパンツを見せるジーンズの着こなしがイマの若者ふうだ。 晩御飯をいっしょに食べて、カジノへ行こうぜと誘った!

朝ごはんを食べて、ドーソン観光に出撃した。 朝もやが晴れて、良い天気になったぞ。 さっそく、ディータが教えてくれた青空マーケットで野菜を購入。

気持ちの良いレストランでご飯を食べて、ビールやワインで乾杯! ゴールドラッシュの時代に、 ロバート・サービスや、ジャック・ロンドンが住んでいた小屋 (観光名所になっている)をのぞいて、からビールをしこたま購入して、ホステルに帰った。

早めの晩御飯を食べて、カジノへ出撃しようという作戦だ。 ドーソンの裏の山に登ったユースケも帰ってきたので、宴会に誘う。 アイちゃんの作ってきらたカレーライスがビールにあって、うまし!

しこたま酔っ払って、時間を忘れていたら、 カンカン踊りの第一回めのショーが既に終わってしまっているではないか! なんということだ。 あわてて、良い気分になった一行は、千鳥足でフエリーに乗り込み、カジノへ向かう。

第二回目のショーの座席を確保し、 ユーコンゴールドの生ビールで乾杯した後、すかさず、 ブラックジャックのテーブルに繰り出した。 50Caをチップに換えて、 小生意気そうだけど可愛い女性ディーラーに勝負を挑んだが、 1回勝っただけで、残りは全部負けてしまい、5分とせぬうちに オケラになった。

ががーん。横では、「のもやん」が立ちながら気を失っている。 時差ボケだったらしい。 カンカン踊りが始まったので、席に戻って鑑賞するが、 今度は、オイラが時差ぼけの睡魔に襲われ、椅子に座ったままひっくりがえる。 いやー、カッチョわりー。

カンカンダンサーに挟まれて目が覚めたのもやん!

タカタカ、チエねーさん、アイちゃん、ローラは、

「あのドラムが良いネー」

とか、

「あのディーラーのお兄ちゃんが可愛いぃー」

とか、ガールズトークで盛り上がっている。 のもやんが、ルーレットで健闘する。

健闘するのもやん!

ローラがブラックジャック、 タカタカとユースケはスロットマシーンに挑戦。

最後のショーも見て、屋台のホットドッグを食べ、ホステルへの帰途についた あー、楽しかった。

なんてこったい。まだ、川下りしていないぞー。