2日め。起きると美味しいアイちゃんシェフの朝ごはんがまっていた。
幸せだあ〜。
熊に襲われなかった一行は、意気揚々と船出。
少し下ったところで、晴れ間が出たので、すかさずビールタイムに突入!
今回の旅で、僕がやったことといえば、フネの休憩タイムの宣言がメイン。
だって、夜は熊対策のため、オイラとノモやんは禁酒することにしていたので、
午前中しか飲めないんだもの!
良い気分で流れていると、右岸の崖の上に小屋を見つけたので、訪ねたが家主は留守。
あちらこちらに可愛い家があってこれまた可愛い表札がつけらている。
「犬ぞりの犬小屋だね」
とアイちゃん。森の中に足を踏み入れフカフカの苔のカーペットを踏む。
スプルースのツンとした匂いと白樺の葉づれの音が気持ちいい。
本日もジャンケンでいっしょになってしまったローラーが、
オイラに飽きたのか、はたまた気をつかってくれたのか、
チエねーさんと交代してくれた。
チエねーさんとは、今回初めてふたりきりになったので、
ちょっと緊張するなあ。
バウマンのチエねーさんは、パドリングが上手だったので、
調子を合わせていたら先頭にでてしまった。
なんか昨日、同じようなことがあったなー。。。
と思っていたら、
チエねーさんが何かに気づいたようだ。
「隊長、アレ!」
指差した方を見ると、、、、
熊だ!
中型のブラックベアだった。
一生懸命ベリーをたべているので、こちらに気づいていない。
パドリングをとめてドリフトしながら近づいた。
昨日、熊とであったときは、興奮して写真を撮るのを忘れていたが、
ここは、またとないチャンスだ。
すばやくデジカメで撮影する。
こちらのもの音に気づいて熊が顔を上げた。
ゆっくり方向転換して森の中に消えていく。
後ろから続いてきていたみんなも、ゆっくり鑑賞できたようだ。 なんということだ。2日間で2度も熊に会ってしまった。
今日も、熊隊長の「ノモやん」と熊番長の「チエねーさん」の 目がキラキラと輝くのであった。 再び船出した時に、水上で熊隊長の「ノモやん」から疑問の声。
「これ、ちょっとやばいんちゃうかなあ。あんまりきとれへんのちゃう?」
そうなのだ。 今回の行程は、サウス・マクウエスタン・リバーが5km、 スチュワート・リバーが135km、ユーコン・リバーが100km、合計240kmを3泊4日旅をしてドーソンにたどり着くという計画なのだが、すでに1日半が経過しているというのに、まだ合計で40kmくらいしか進んでいない。 なのに、午前中から川の上で酒盛りなぞをやっているのだから、 心配してあたり前だろう。
あと、2日と半日で200kmを漕がないとたどり着けない。 実は、けっこうオイラも不安になっていたけど、のんびりものの 「ノモやん」でも、流石にコノやばさに気づいたようだ。
ノモやんが、タカタカと相談して、 今日は漕げるだけ漕ごうっと、高らかに宣言する。
こうして、ようやく題名のオラオラ奮闘記が始まるのであった。 今回の旅は、みんなで旅の行程を考えたかったので、どこまでいくかは、 相談して決めることにしていた。
イマ、ここだよーとは伝えるが、あんましアレコレ言わないように ナビゲーションも、けっこうノモやんやタカタカに任せる。
午後は夕方めいっぱいまで漕ぐ。夕方といっても9時を過ぎてようやく 西日になるものだから、けっこう漕いでいる。 蛇行が多く現在位置がつかめなかったが、今日は60kmは漕いだだろう。 初日に20km、二日目に60km。 後2日間で残り160kmを槽破しなくてはならない。1日で、80kmづつかあ。。。。
オイラは、合流してからのユーコン本流1度漕いでいるので、時速10kmくらいで流れるユーコン川なら、最終日で100kmは進めることがわかっていた。
だから、明日中に今日位漕いで、ユーコンに合流できれば 問題ないと思っていたが、けっこうパツパツの旅程になってきたなあ。
余裕がない旅は流石に、つらい。 流石にオイラのMr.ダイジョーブぶりに気づいたのか、 メンバーが本気になって心配しはじめた。 まあ、それはそれ。 あえて、休憩をとったり、お酒タイムを宣言。 疲れてオヤツタイムに入った時に、
「ドボン!」
という大きな音。近くにあるビーバークリークの由来にもなっているのだろう。ビーバーがスイスイ泳いで、最後にシッポで大きな音を立てて潜水していた。 ヘロヘロになって、ようやく広い中州に上陸。 熊の足あとらしきものもあったが、本当にちょこっとなので、ここで泊まることにする。
大きな焚き火を作った。 ペコペコなお腹に、アイちゃんの晩御飯が旨し。 今日は、疲れがでているだろうと思い、オイラのテントを使って テントサウナをやった。焚き火で焼いた石に川の水をかけて蒸気をたて て、暖まるスチームサウナだ。
火照ったタカタカがスチュワート川にダイブ。 さすが、ラフターだなあ。。。
ほかほかのまま眠りについた。 明日も鬼漕ぎがまっているのねー。