オラオラ隊ユーコン奮闘記(6)

ユーコン川で転覆!?


川に出て3日め。予定では、明日ゴールのドーソンに 到着するハズなのだが、全行程240kmのうち、80kmくらいしか 進んでいなかった。

あと、2日で、160km。 果たして辿り着けるのか?

早く出発して、鬼漕ぎして、今日は行けるだけ行こう! 航海士もまかせている「のもやん」が高らかに宣言。 となりで、「タカタカ」が大きくうなずいている。

昼ごはんも、上陸しないで、フネの上でとることに。 なんか、冒険ぽくなってきたぞ。

アイちゃんシェフの野菜たっぷりサンドイッチを おなかに入れて、意気揚々と出発したけど、はやくも、 オイラがユーコンゴールドをプチンぷふぁあしてしまい、 この日も午前中の宴会がスタートしてまうのであった。

楽しい船上宴会

ワインとバーボンが船上を行きかう。 すばやくラーメンなぞもつくられてしまい、 幸せよーの世界に突入していく。

ラーメン美味し!

今日のオイラのペアは、のもやん。 オラオラ隊を結成したときからのコアメンバーで、 ちょっとこっぱずかしい書き方をすると、親友(っと思い込んでいる のはオイラだけか)って、奴だ。

二人でフネを漕ぐのも久々でなんかうれしい。

生理要求の休憩で、パートナー交代。 またまた、ローラと組むことに。 うーむ。ご縁があるねー。 鬼漕ぎといっても、ときどき、パドルを休めて 流された。

ふと、空をみると、本日もユーコン特有の雲がたなびいている。

うん!? なんだ。あの雲の色は!

エメラルドグリーンや、紫がかっているではないか!

よく見ると、蛍光色をはなちながら、色が移り変わっていく。

なんということだ。 オーロラが昼間にでて、それが雲のスクリーンに 映し出されているのだ!

こんなのは初めてみた。夜のモヤモヤが吹き飛ぶくらいすごい! (って、大騒ぎしていたのはオイラだけ?) 何かのご褒美?誰かからのメッセージ?

すると、今度はにわかに暗くなって、横殴りの雨と風。 1日に天気がころころ変わるのがユーコンの特長だ。

1時間もせずに、雨はあがった。 みんなの疲労が濃くなってきたころに、ユーコン本流への 合流口が近づいた。

本流をいかずに、細い水路をとおってユーコンに合流 することにした。

水路を行く。もう少しでユーコン川へ合流だ

野生動物に会えそうなところだからだ。 足跡はたくさんあったけど、残念ながら出会えず。 ようやくユーコン本流にでた。 飛ぶように走る。まるで、ジェットコースターの ように感じる。

本日のノルマ達成だ!もう夕暮れが近い。 上陸しようとしようとしたら、 勢いがつきすぎて、フネが大きく傾いた。 側からシルトをふくんだ水が大量にはいってくる。 このままでは、転覆する!

「ローラ、つかまってて!」

といっても、体制をたてなおせない。 早い流れにフネが回されながらもっていかれそうになる。

そのまま、川に飛び込んだ。

よかった。足が着いた! 早い流れに体ごともっていかれそうになるが、 傾いたフネをなんとか戻して上陸した。

やばい、パドルが流された!

後続の「のもやん」&「アイちゃん」ペアに パドルの回収をお願いする。

が、下流に倒木が張り出しているところがあり、 パドルはそこにひっかかってしまった。

あそこに、取りに行くと危ない! ストレーナーにつかまってテンプクしてしまう。 自分の指示の甘さに舌打ちした。 今、オイラのカヌーは水が入っていてすぐに助けにいけない。

さすが、のもやん、危険はおかさずパドルの回収は諦めて 川面に貼りだした倒木の枝を避けてくれた。

ココロの中で、サムアップ!

この流れでは、のもやん&アイちゃん艇は漕ぎあがることは できないので、フネに乗り込んで、追い掛けることにした。 フネの中にたまった、水を急いで掻きだした。

タカタカ&チエねーさん号と2艇で、 下流へ。 下流で上陸していたのもやんとアイちゃんは、 歩いて、川上まで返してくれたようで、フネは無人だった。 そのとき、ひっかかっていたパドルが上流から流れてきた。 タカタカが飛び込んで見事に回収。グッドジョブ。

みんなが合流した。 本日は、ここをキャンプ地点にしよう!

ローラが濡れたからだのままでいる僕を気づかってくれる。 あきらかな操船ミスで、危険なめに合わせてしまって ごめんなさい。

みんながテキパキとキャンプの用意をしてたき火を起こしてくれた。 なんて、心強い仲間たちなんだろう。

やっぱり、ユーコンにきてよかったな。 ありがとう。みんな。

夜10時をまわっていた。 沈みゆく太陽の残照に、頬が赤く染まる。 川旅最後の夜がふけていった。