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王の剣士4 「かりそめの宴」
【序】



「この花を。わたくしにはこれ以外、差し上げるものがありません」
 女が細い指先で指し示したのは、薄青い花弁の小さな花。地上にちりばめた星のような。
 目の前の女のような、密やかな花だ。
「何という花か」
 女は遠くで瞬く星のように、微かな笑みを浮かべた。

「ミオスティリヤ――。――わたくしを、忘れないでくださいませ」






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