建　築　設　計　図

建　築　設　計　図
建築設計図　小野武雄　著

はじめに
明治時代の後期に設計された大邸宅の図面に基ずいて、総工費を
著者小野武雄氏が積算しています。ホームページとしては少し長文になりますが、
近代建築を研究される方々の参考になれば！　と思い、
ここに数回に分けて公開します。

Ｍ邸・現在取り壊されています。
（注）下記の大邸宅設計とは異なっています。

第1號　大邸宅設計[第1図より第6図に至る]
階下坪数　130坪　但し掾側を含む
階上坪数　95坪8合7勺5才

由来、専門技術者が建築設計を依頼せられた場合には、先ず
下記10数葉の図面を調製するのです､即ち

①各階底面図　②四方立面図　③縦横切断面図　　④各所短計図　　⑤各室詳細図

⑥天上平面図　　⑦床梁配り図　　⑧軸　組　図　　　　⑨地形伏図　　　　⑩固屋伏図

⑪小屋組図　　　⑫屋根伏図　　⑬敷地建物配置図　⑭背景見取り図。[パースべクチーブスケッ
チ]等で、・・・・・・・

　此他必要に応じては、配水、電燈、瓦斯等の配置図も添えねばならず、

又工事施工に当りては、各部の詳細図托に現寸図なども要るので、

大きな普請になると図面の数が数百に上がることがあります。

　なほ又、前記十数葉の図面の外に仕様書、材料明細書、工事詳細見積り書等

を調整しますので、工事の見積りも完全なものが得られますけれども、

本書に載する所は其一部分たる①②③だけで所詮目積りですから、是丈では

到底正確な計算は出来ません。

加之、材料の価格時々変動がありますから、弦には単に目積りに於ける、

概算を示す事としました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　

洋風折衷・建築設計図集　附解説　博文舘蔵版

次の図面で平面図を2枚公開します。
大邸宅階下平面図・地下室平面図

階上平面図

上記の図面から積算された見積もりに於ける概算を示します。

　　（Ａ）全部石造りの場合

　　　　　　金116,350円　　　建坪平均　　金895円

　　（Ｂ）石造り平壁化粧煉瓦張りの場合

　　　　　　金97,500円　　　同　　　　　　　金750円

　　（Ｃ）煉瓦造り人造石塗りの場合

　　　　　　金78,000円　　　同　　　　　　　金600円

　　（Ｄ）木造人造石塗りの場合

　　　　　　金58,500円　　　同　　　　　　　金450円

次回より（Ａ）～（Ｄ）の解説に入ります。

戻る