大谷光瑞の業績・第三章・2
第三章トルファンの出土物
シルクロードにおける大谷探検隊の業績について(H.F氏 論文より抜粋)



 次に東京国立博物館が所有しているものについて調べてみたい。
同博物館が刊行した「東京国立博物館図版目録  大谷探検隊将来品編」

ILLUSTRATED CATALLOGUES OF TOKYO NATIONAL MUSEUM
CENTRAL ASIAN OBJECT
BROUGHT BACK BY THE OTANI MISSION

壁画持盤菩薩跪像・部分
 によると200点以上ある将来品のうちトルファン出土のものは11点あります。

  2、樹下人物図
 99、梯形標的
100、宝珠形飾板
119、金属製遮光眼鏡
126、蓮華文長方専瓦
144、櫛
8世紀
8世紀


8世紀
紙本著色
木製胡粉彩色
木製彩色、墨書ウイグル文字あり。
三個、 銅、 鉛製
焼成粘土
5個 木製及び獣角製

 最後に旅順博物館が所蔵している資料について述べますが、これは不明な点が多くあります。昭和18年に刊行された「旅順博物館図録」によるとトルファン文化圏出土のものは57点であるが、そこには「ミイラ」が含まれておらず、又ここに記載されていないものが、1992年に日本で開催された「旅順博物館所蔵展」に出品されているのである。次に「旅順博物館図録」に記されているものを挙げたい。

新疆省喀喇和卓高唱国人墳墓発見
 55、木心女子土偶首部 4点
 56、木心女子土偶首部 6点
 57、女子騎馬土偶
 58、男子騎馬土偶 2点
 59、男子騎馬土偶
 60、武人騎馬土偶 女子騎馬土偶
 61、武人騎馬土偶
 62、男子土偶 男子武装木偶
    男子武装土偶 女子土偶
 63、男子土偶
 64、絹本人首蛇身神像図
 65、絹本人首蛇身神像図残缺
 66、延昌20年解氏墓表
 67、墓表及石経 6点
 68、新疆省木頭溝発見唐宋間壁書
    願度図断片部分図
 70、新疆省ベゼクリク第19号窟唐宋間壁書断片
 80、鳥形木器 トルファン出土。陶壺3点、木椀、
    彩色陶壺2点、トユク出土。
 81、蓮華文方瓶 2点 宝相華文方瓶、
    トルファン出土
 84、絹本阿弥陀浄土変相断片
 85、絹本着色佛書断片、3点
 86、紙本着色佛書断片、2点
    絹本着色佛書断片、8点
 87、88、89、90、絹本着色佛書断片
 95、迦諾迦蹉尊者図、
    墨書断片、
 96、剃髪図、絹本着色
105、刺繍断片、2点、、トルファン及びトユク出土59、
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代

唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
隋、唐時代

唐ー宋時代


唐時代

唐時代
唐太暦6年、トユク

唐時代、トユク

唐時代、トユク
唐時代、トユク
唐時代、トユク
唐時代、トルファン
唐時代、トルファン
唐時代、トルファン、トユク

次に「旅順博物館所蔵品展図鑑」に納められている87点の内、
トルファン出土のものを記す。

34、彩色陶碗 唐時代 新疆トルファン・トユク出土
高さ8.2cm 口径13.7cm
 胎土は灰色で、直口、平底である。墨色を地色とする
器の表面に朱、白色などの連珠文と大弁蓮華文を組み
合わせ、白色の線で蓮華の枠線を描き、内面に淡紅色
を塗る。この表現技法は麹氏高昌時代によく見られるも
ので、大谷探検隊は数多く採集した。

35、木製彩色碗 唐時代 新疆トルファン・トユク出土
高さ6.8cm 口径12.7cm
 轆轤(ろくろ)成形技法で製作した碗。轆轤成形の痕
跡がよく残っている。器は厚みがあり、外面は墨色を地
色として彩色線文で蓮華文を描き、白色の連珠文帯を
外周に飾っていた。陶器で同じ意味の壺・碗・瓶などが
造るられていたが、木地にそのまま彩画する副葬品とし
て大量生産されたものの一つです。

 31、麹孝崇墓表
 32、毛氏墓誌
 34、彩色陶碗・・・・(上記参照)
 35、木製彩色碗・・・(同上)
 37、人面文把手付陶壺
 39、泥塑彩色文官俑
 40、泥塑彩色女(侍女)俑頭部
 41、泥塑彩色女(侍女)騎馬俑
 42、泥塑彩色文官騎馬俑
 43、木彫彩色武人俑
 45、蓮華文方せん
 47、伏義女華カ図
 48、延寿命菩薩像
 49、菩薩像
 51、仏画(阿弥陀浄土変)断片
隋時代
唐時代
唐時代、トユク
唐時代、トユク
唐時代、トユク
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代
唐時代、ヤールホト
唐時代、ヤールホト
唐大暦6年(紀元771年)
トユク


木彫蓮華葡萄文建築部材 唐時代・新疆ロプノール出土
 以上が日本で展覧されたものである。そして残念ながら日本に持ってこられなかった資料の中にミイラも含まれている。
 しかしミイラに関しては「新西域記」所収されている。「中央亜細亜発掘品目録」に載っている。ミイラについては第四章において考察します。
第三章   完

P.S. 注記、ホームページでは省かしていただきます。・・・・・管理人
次回は、論文の最終章、 第四章 「トルファン出土のミイラに就いて」
9月中期に掲載する予定です。よろしくお願いします。