愛宕山・高宕山

(408.2M-330M)

千葉県の山(PART-2)

日程

夢にまで見た千葉県の最高峰が愛宕山だ。千葉県の山(PART−1)でも述べた通り千葉県の高い山には歩行時間の短い山が多いが愛宕山はその中でも特に短く登山口から5分で登頂できてしまう。ただ山頂部が航空自衛隊嶺岡基地の敷地となっており、立入申請などの手続きが面倒そうで(二週間ほどかかるらしい)二の足を踏んでいたのだった。そんなところに見つけたのが(株)アルプスエンタープライズ社の愛宕山・高宕山ツアー。結果的には面倒な手続きもなく、個人で行くよりも安上がった。申し込んだのは登山のわずか4日前である。こんな山に登りたがるのは都道府県最高峰をやっている人間ぐらいだろうがありがたい話だ。もう一つの高宕山は千葉県の山で伊予ヶ岳と並んで賞されている山。ついでとは言え絶妙の取り合わせである。

5月11日 東京(07:25)みんなみの里(09:20)愛宕山(10:05−10:20)石射太郎登山口(11:25)=石射太郎山(11:40−12:10)=高宕観音(12:55)=高宕山(13:30)=奥畑(14:55)白壁の湯(15:10−16:10)東京(18:30−23:03)
5月12日 富山(05:36)

山行記録

前日に引き続き妹の家から出発する。ギリギリセーフで集合場所の東京駅へは五分前に駆け込んだ。遅刻者はなく私が最後の客だったようだ。すぐに出発。バスは首都高速からアクアライン、館山道、長狭街道を通り最初の休憩地点である「みんなみの里」へと向かった。ここで土産物を買いながら時間調整。ゲート到着予定の10時を待つ。

           
左:基地の人を先頭に登る
右:愛宕山

バスで移動し、10時の五分前には基地の入口ゲートに到着した。書類の確認か何かで10分ほど待ちようやく基地の中に入る。すぐに駐車場があってそこから歩いてゆく事になった。駐車場から100Mほど行くと石段がある。この山の名にもなっている愛宕神社のものだ。石段を登ると中腹と上部に祠が建っていた。愛宕山の山頂は神社からさらに100Mほど先に登ったところにあった。周囲があまり開けていないうえ、曇り空で展望は得られなかった。全員で写真タイムのあと、往路を下山する。終わってみればあっけない山だった。

         
左:鹿野山(高宕山より)
右:高宕山(石射太郎山より)

愛宕山を出て次の目的地である高宕山へと向かう。石射太郎山への登山口のある高宕第一隧道手前までバスで乗り入れ、そこから番号順に並んで歩き始めることになった。トンネルは通行止めとなっていて突然やって来たバイク乗りが引き返して行く。登山口はトンネル手前で、道標がある。始めは樹林帯の中を登る。標高が低いせいでかなり暑い。よく整備された登山道を歩き、石切場の跡を過ぎると鹿野山の景色が広がって来る。すぐに稜線に出て鹿野山からの道と合流、高宕山の見える広場で昼食となった。石射太郎山の山頂は左側に踏跡を辿ったところにあるとの事で、すぐに行ってみる。眼下の絶壁と合わせて周囲に好展望が得られるすがすがしい場所だ。

           
高宕観音

高宕山に向かって稜線沿いに歩き始める。高宕山を視界に収めながらの快適な稜線歩き。石射太郎山から見たときはどうやって高宕山に行くのか見当も付かなかったが、道なりに歩いてゆくとどうやら別の稜線に下りてゆくようだ。しばらく景色のない樹林帯の中を歩いてゆくと突然目の前に石段が現れた。狛犬や仁王像もある。高宕観音のものだ。石段を登りきったところに古びれた観音堂があり、ここで再び休憩となった。大したことはないが胎内くぐりもある。

       
左:高宕山山頂
右:愛宕山(高宕山より)

登山道は観音堂の裏にある岩穴の先に続いている。岩穴をくぐるとすぐに山頂かと思ったが、地図を見るともう一つ先の峰らしい。八郎塚、高宕大滝方面との分岐を過ぎ、さらに急な斜面を階段やロープを使って登ってゆく。最後に梯子を登ると高宕山の山頂だった。狭い山頂からは周囲の山々が一望でき、意外な房総の山深さを堪能できる。愛宕山、富山、鹿野山など千葉計画で登った山々が目につくのがうれしかった。もっとゆっくりしたかったが順番待ちの為にすぐに場所を譲らなければならず、思いっきり楽しむと言う風にはならなかった。

           
下山路

山頂を引き返して先程の分岐点を八郎塚方向に進む。三角点峰に登りたいと言う人もいたが予定に入っていないとの事で却下された。日帰りハイキング程度のグループ山行では仕方がない事だろう。登山道は山頂、三角点峰を巻くようにして進み、そのままひたすら緩い傾斜のトラバ−スが続く。八郎塚との分岐点で休憩し、整備された遊歩道を国道に向けて進む。やがて麓から車の音が聞こえ始め、舗装道路に出た。250Mほど歩いて国道に出ると奥畑のバス停がもう見える。農産物直売所があり、そこに迎えのバスが停まっていた。帰り際に「ロマンの森共和国」白壁の湯にて山行の汗を流し、帰路についた。木更津の土産物屋で休憩になった時に、落花生3kg袋を購入。本場らしいビックサイズに満足。バスは順調に走り、東京駅には予定よりもかなり早く着いた。既に夜行列車を予約していたのでしばらく時間を潰し、富山へと帰ることになった。

余談 ようやく愛宕山に登る事が出来た。何も言うことはない。
高宕山は房総一の名に恥じない変化のある楽しいコースだった。
千葉計画を通し、空が霞んで景色は全快と言い難かった。関東の山は冬に登るのが正解なのだろうか。
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