大菩薩嶺

(2056.9M)

とっさの選択

日程

昨年の丹沢に続き、再び弟と山に行くことになった。前回の丹沢が体力的にかなり堪えたということで今回はやや控えめに大弛峠から一泊で金峰山、瑞牆山を目指す計画を立てる。タクシー代がやや高いのは難点だが仕方がない。よく利用されているルートを使うので全く問題はないだろう。塩山の駅に着くまではそう思っていた。大菩薩へ行く事など夢想もしていなかった。

(この時は記録を付けませんでした)

10月28日 八王子塩山福ちゃん荘=大菩薩峠=大菩薩嶺=丸山荘=大菩薩の湯塩山八王子

山行記録

東京行きの最終特急で弟の家に一泊し、早朝八王子を出発する。臨時特急が出て座席に座れるなど幸先がいい。塩山駅ではさっそく駅前のタクシー乗り場に並んだ。かなりの人が並んでいて20分ぐらい待たされる。ようやく順番が回ってきた。しかしタクシーに乗り込み運転手に行き先を告げると「大弛は通行止めで行けない」との事。無情にも開かれるドア。ここで降りてしまうとまた並び直さなくてはいけないだろう。咄嗟に地図の裏図を見直して行き先を変えた。「大菩薩へ」、ここなら人も多いだろうし地図も下調べも無しで行けるに違いない。他に選択肢はなかった。

  
左:福ちゃん荘
右:快適な旧道

運転手に言われるまま福ちゃん荘でタクシーを降りる。さすがに百名山だ。やはり人が多い。写真を撮るのに思ったより時間がかかり出発が遅れた。とりあえず人の流れに乗って舗装道路を歩いてゆく。途中の富士見山荘からは富士山を望むことが出来て人だかりが出来ていた。渋滞を避けながらさらに進むと勝縁荘を過ぎ、ようやく登山道となった。車の轍が気になるが、幅が広くて段差の少ない快適な道は未だ生きている旧道の雰囲気が出ていてとても良い。

  
左:介山荘
右:大菩薩峠

大菩薩峠までは樹林帯の中を歩く。快適な道を快調にとばした。所詮は大菩薩、登っても多寡がしれている。ノンストップで稜線上の介山荘まで登りきった。介山荘を抜けた広場が大菩薩峠で既に多くの人が休んでいた。写真の順番待ちついでに少し休憩する。介山荘には普通の土産物の他に果物なども売られていた。

         
左:富士山
右:大菩薩嶺の山頂

大菩薩峠からは展望を楽しみながらの稜線歩き。富士山から今回諦めた金峰山まで西側を中心に景色が広がる。遠方の山々が雲に隠れているのが残念だ。ようやく登山道らしい道が始まるがアップダウンも大したことはなく一息でこなしてゆく。好展望の得られる雷岩は人で一杯だったので大菩薩嶺まで行って休憩にする。樹林のために展望がないせいかこちらは人も少なく空きスペースは十分にあった。

         
左:熊も熊った・・・
右:丸川荘

大菩薩嶺の手前からは再び展望のない樹林帯の中を歩くことになる。山頂を過ぎると道は緩い下り坂となり、とても歩きやすい登山道を快調に進んで行く。途中、「熊も困(熊)った」看板を発見。早速、写真に収める。やがて樹林帯から出て見通しのきく笹原に入ってゆくと丸川荘が見えてきた。小屋の前で昼食、昼寝にする。

         
左:静かな林道
右:塩山市交流保養センター(大菩薩の湯)

次第に風が強くなり、体が冷えてきたので急ぎ荷物を纏めて出発することにした。すぐに笹原は樹林帯の急坂に変わる。これまでの快適な道とは一味違って油断出来ない下りだが、気を付けて歩けば何の問題もない。尾根沿いにひたすら下ると林道に出た。舗装はされているが静かで歩きやすい道だ。やがて今朝通った大菩薩峠の道路に出合う。急に人や車が増えて歩きにくくなった。国道に出て、少し下った所にある大菩薩の湯で汗を流すといつの間にか外は雨になっていた。バスで塩山駅へと向かい、東京へと向かった。咄嗟に取った大菩薩嶺登山ではあったが、なんとなく物足りなさが残ってしまった。

余談 塩山駅を起点とする登山コースは大菩薩か奥秩父。大菩薩(福ちゃん荘起点)は状況から見て妥当だったと思う。
タクシーの運ちゃんが大変親切でいろいろ相談に乗ってくれた。交通情報もタクシー会社で聞けばいいという話だった。
2000年 HOME