伊吹山

(1377.3M)

滋賀県最高峰・・近くて遠い山

日程

滋賀県最高峰である伊吹山は山頂付近まで道路が通じており、また麓からでも半日程度で登ることが出来る手軽な山だ。通っていた大学が京都だったせいもあって滋賀県は良く通過し、伊吹山に登る機会も十分にあったはずだった。しかし何かのついでに登る作戦はいつもうまくいかず、登山に丸一日予定を割いて今回ようやく伊吹山に登る事が出来たのだった。

11月3日 富山京都三ノ宮神社(06:20)=伊吹山(08:40-55)=三ノ宮神社(10:20)富山

山行記録

大学の学際に立ち寄った帰りに直接伊吹山の山麓へと向かう。いつもながら京都市内の車の流れは全く読めないが今回は時間をたっぷり取ってあった。国道8号も1号も混んではいたが夜の十時前に登山口周辺に到着。日が昇り周りの様子が分かる時間帯まで路上で車中泊を決め込む。車内で一眠りし、明るくなるのを見計らって登山口の駐車場に車を停めた。さすがにまだ誰もいない。

  
左:三之宮神社
右:伊吹山一合目

三ノ宮神社にお参りしつつ登山口を探す。看板によればどうやら神社から直接登ると言うよりは神社横にある観光案内所前の道に入れば良いようだ。とりあえず登ってみるとすぐに登山口の階段が見えて来た。一合目まで900M。樹林帯をひたすら登る。階段が終わると石がゴロゴロしている道を通るが、やがて視界が開けてスキー場の下部に出た。ここでようやく一合目。そしてリフトや施設が建ち並んでいる傍を歩く。ゲレンデを登ってゆくと背後には麓の景色が広がって来る。

  
左:三合目
右:八合目

一番下のゲレンデを登りきる頃に登山道は右手の草むらへと入ってゆく。二合目を過ぎて背丈ほどのススキの間をジグザグに登ってゆくと再びゲレンデに出合い、三合目。ようやく伊吹山の山容が見られるようになって来た。リフトの下をくぐってゲレンデを右から左へと横断するとゴンドラからの道と合流、ゲレンデを登りつめたところが四合目だった。麓の景色が良かったのでここで少し多めに休憩をとる。四合目から樹林帯を一段上がって開けた場所が五合目。近江屋という食堂があったが時期のせいか閉まっていた。ここでようやくスキー場を抜ける。同じ草むらを見ても整地された場所から離れると登山らしくなってくるから不思議だ。六合目を過ぎると傾斜も急になり、やがて九十九折れの登山道が続くようになる。登るにつれ麓の景色が再び見え始めた。しかしそれも山頂にかかるガスに入るまでのこと。七合目から先は視界もほとんど得られず、霧雨の中をただ道なりに進むのみだった。道標も登山道もしっかりしているので迷う心配はなかった。まっすぐ山頂へと向かう。

  
左:伊吹山山頂
右:山頂に建つ山小屋

伊吹山の山頂部はかなり広く平坦で、三角点の傍にある測候所の下には五軒の山小屋と伊吹山寺、そして日本武尊の像等が建ち並んでいる。しかし開発が進んでいる様子とは裏腹に人気は全く無く、まるでゴーストタウンを歩いている気がした。何と言っても百名山、少しぐらいは人がいてもおかしくないはずだが。測候所だけが不気味な音を響かせていた。山頂で写真を撮り、それからは天候の回復を待つつもりでいたが霧雨が止む事は無く体も冷えて来たのであきらめて引き返すことにした。


伊吹山

初めて登山者にすれ違ったのはもう六合目を過ぎたあたりだった。四合目あたりでは中高年の集団とすれ違う。天候は徐々に回復していた。山頂にかかっていた雲は切れ次第に伊吹山の全容が見渡せるようになってゆく。今回ばかりはタイミングの悪さを感じずにはいられなかった。思いのほか早く下山してしまったが計画通り何もすることはなく、まっすぐ富山まで車を走らせることになった。

余談 ろくに情報収集もせず地形図もなしで登ることが出来たが、後から北尾根や別ルートの事を知るにつけもう少し準備をしてから登れば良かったと思うようになった。
今までこの程度の低山でガスにあった事はなく、今回の登山で認識を新たにさせられた。
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