石鎚山・瓶ヶ森

(1982M−1896.5M)

第二次四国計画

日程

当初の計画では剣山と石鎚山はセットになっていた。しかし、高知県最高峰の三嶺にどうしても登りたくなり、石鎚山は取り残された格好になってしまった。とはいえムーンライトの速度を味わった後となってはもう後には引けるはずもない。そして第二次四国計画が作られた。交通費の無駄、安易な計画、しかし私的には隙のない計画だった。剣山から帰ってきた次の日の晩に出発。剣山でテントを使ってこなかったのは正解だった。

5月2日

富山(19:57)

5月3日

新居浜(05:42)石槌神社本社(08:20)下谷(09:35)=河口(10:20)=石槌神社成就社(13:50)=前社ヶ森(15:40)=二の鎖小屋(16:35)

5月4日

二の鎖小屋(04:50)=弥山(05:20)=天狗岳(05:40)=二の鎖小屋(06:20)=土小屋(09:00)=伊吹山(10:40)=瓶ヶ森駐車場(12:20)=瓶ヶ森(13:10)=瓶壺(14:00)=下谷(17:00)石槌温泉(18:10)伊予西条市内(20:00)高松市内(23:00)

山行記録

サンダーバードを京都でムーンライトに乗り換える。今回は普通の指定席、到着時間も早いのでよく眠れない。新居浜に到着したが駅レンタカーは八時からだと言われ、朝食をとり少し休むことにする。どこか試合にでも行くのか学生が集団で来てにぎやかしい。八時五分前にようやく駅を出る事が出来た。目指すのは石槌神社本社。実際行ってみると思ったよりかなり広くて大きい。さすがに石槌本教の総本宮だけはある。本殿の前からは海が見えた。お守りを買って山行の安全を祈り神社を後にする。

  
左:石槌神社本社本殿
右:今宮口登山道への登山口

ロープウェイ駅の向かいにある駐車場に車を止め、今宮道登山口の河口まで今来た道路を下る。三碧橋のたもと、道が二股になっているところに登山口があった。道路脇から登ってゆくとすぐに鳥居が見える。意外にも道は広く快適だ。しばらく行くと三十六王子社へ向かう看板が目に止まった。このまままっすぐ行って正解なのか不安になり、よせばいいのに看板通り右に曲がった。そして苦難が始まるのだった。

                
左:快適な今宮道
右:三十六王子道・・ロープにつかまって登る

最初の三十六王子社を過ぎると突然道が悪くなり始めた。ほとんど作業道、もとい修験道だ。ロープにつかまりながら尾根まで悪場を登る。そこからは快適に行けると思ったが、尾根からはずれたとたんに道を失ってしまった。枝打ちされた杉の枝が登山道を隠している。30分ほどあちこち探し歩いた結果三十六王子社の後ろ側に道がついているのを発見し、ようやく先へ進む。今宮道に再び合流したときはさすがに天を仰いだ。疲れた。

         
左:石槌神社成就社
右:試しの鎖

石槌成就スキー場を過ぎれば、もう石槌神社成就社だ。徐々に雨になってきたので旅館に逃げ込み昼食にする。旅館を出て山門をくぐると、そこからは石槌神社の参道である。気合を入れ直す。広い道には木の階段がやたらと多く、相当整備が進んでいるようだ。成就社からいったん下って、登り詰めた所に試しの鎖があった。通りがかりの人に天気が悪いからやめた方がいいと言われたが明日は登れないかもしれない。一ノ鎖は巻き道を通る事にしてここは登ってみることにした。鎖の輪の中に足が入る。これならいける。鎖場の下の方は宙づり状態で地に足が着かないのだが鎖だけで確保して登った。登りきると不思議と雨が止んできた。小休止の後に下りの鎖を使って降りる。一ノ鎖を迂回するとテント場はすぐそこだ。しかしそこはすでに一杯。仕方ないので登山道の端に設営した。

         
左:弥山から天狗岳
右:キャンプサイト・・標識の横は私のテント

翌朝、天候はかなり回復していた。サブザックだけ持って山頂へ向かう。二の鎖は落石のため使用禁止。巻き道の桟道を利用する。荷が軽いので三の鎖をすいすい登るとそこは弥山だった。しかし、山頂部は相変わらずのガスに覆われている。ご来光は雲を通してかろうじて見える程度だった。天狗岳に向かう道が分からず探していると、横から学生らしき集団が先へ進んでいった。もちろん後を付けさせていただく。所々狭い部分もあるが、周りが見えないので怖い思いもせず天狗岳に到着。特に標識のようなものはなく三十六王子の祠が建っている。周りがガスって何も見えないので写真を撮ってもらった後すぐに山を下りた。テントに戻って朝食。そろそろ登山者の数が増えてきた。

  
左:石槌神社土小屋遥拝殿
右:快適な伊吹山・・瓶ヶ森を見ながら昼寝は最高

二の鎖小屋から土小屋までの道はなだらかで見晴らしのきく良い道だ。途中、幅1mほどの雪渓を越えた。年寄りの人の中にはここで引き返している人が何人もいた。せっかく来たのにもったいないと思う。土小屋で小休止、林道脇の登山道を瓶ヶ森へと向かう。伊吹山で少し早いが昼食。快適な山で休憩にはもってこいの場所だ。尖った子持権現山の脇を通り、急な坂を登り詰めると瓶ヶ森駐車場があった。通りがかりの人に朝ラーメンを食べていた人ですねと言われる。土小屋から車を利用すれば石槌山と瓶ヶ森は日帰りで楽々回れるということか。男山山頂で小休止。切れ落ちている瓶が森の東面がよく見える。男山から笹原の道を登ってゆくと瓶ヶ森の山頂(女山)だ。

  
左:男山から瓶ヶ森山頂(女山)
右:山頂からの景色・・氷見二千石原

山頂に立てば穏やかな草原が広々と広がっていた。残念なのは天候のせいで石鎚山が全く見えないことだ。快適な笹原を下りきったところには瓶壺があった。小さな流れの中に不自然な穴が空いている。確かに瓶のような形だ。そこから沢沿いの急坂を下ってゆくと崩壊した小屋のある常住に出た。小休止の後、植林された林の中を進むと林道に出た。ロープウェイ駐車場に戻り、車で石鎚温泉に向かう。かなり混んでいて洗い場が空かないので完全に湯あたりしてしまった。名水の里、伊予西条では「石鎚山のおいしい水」を手に入れる。いつか富山の水と勝負だ。

  
左:瓶壺
右:石槌温泉

余談

テント場に着くのが遅かった。ここはだいたい6、7基で一杯だと思う。
三十六王子道に踏み込んだのは今宮道の快適さから来る油断だった。歴史を感じさせてくれるいい雰囲気の道だが、山行中はひどいくたびれ儲けに感じた。
三十六王子社はその名の通り石槌神社本宮から天狗岳まで三十六社あるという話だ。

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