甲武信岳・北奥千丈岳・金峰山・瑞牆山

(2475M−2601M−2595M−2230M)

再び奥秩父に挑戦

日程

九月の連休には弟と山に行くことにする。彼にはABCの三つの案を示したが、最もハードなC案に応じてくれた。きっと昨年の大菩薩が物足りなかったに違いない。昨年、川上牧丘林道が不通で計画変更を余儀なくされた経緯もあり、今回は西沢渓谷からの縦走だ。白馬以来、山はご無沙汰だったので体力を確かめるために大日岳に軽装の日帰り登山に行った。往復6時間、調整は十分だ。後は天候と弟の体力しだいだろう。

9月22日

八王子駅(07:45)塩山駅(08:50)西沢渓谷(09:40)=1869m(11:50)=甲武信小屋(14:50)

9月23日

甲武信小屋(06:00)=甲武信岳(06:20)=国師岳(11:50)=北奥千丈岳(12:40)=金峰山(15:50)=金峰山小屋(16:20)

9月24日

金峰山小屋(06:50)=大日岩(08:00)=富士見平小屋(09:00)=瑞牆山(10:10)=瑞牆山荘(12:00)増富温泉(14:00)韮崎駅(15:40)新宿駅(17:35)富山駅(23:17)

山行記録

東京行きの最終特急に乗って弟の家に到着したのが朝の1時。一杯やって寝たのが2時半。今回も確実に寝不足コースだ。予定より早い電車に乗り、八王子を出発する。塩山でバスを待っていると、タクシーの運転手が千円で連れていってくれるというので、これに便乗する。今日は登りが長いので出来るだけ余裕を持って行動したい。東沢山荘で水を補給して林道を登山口へと向かった。真上には雁坂トンネルが見える。

  
左:近丸新道の登山口
右:徳ちゃん新道の登山口

登山道は当初、ヌク沢を渡る近丸新道を予定していたが、東沢山荘の主人の言葉に従い徳ちゃん新道から登ることにする。万が一にも、橋から落ちるなど考えられないが同行者がいるときは少しでも安全な方がいいと考えた。近丸新道の立派な登山口の標識を見送り、西沢山荘手前の登山口から山に入る。道は意外と整備されていて歩きやすい。展望のない林の中でどんどん高度をかせいでゆく。

         
左:広瀬湖
右:甲武信岳、後方は三宝山

やがて道はやせ尾根の急登になる。背後には広瀬湖が広がり、雲の間から雪をかぶった富士山もかすかに見えてきた。ここで景色を眺めながら昼食にする。すぐそこは近丸新道との合流点だ。単独で下山している日帰りの人と出会う。林の中を暫く登ると主稜線との合流点。木賊山では山頂の展望はなかったが、少し下りたガレ場からは、甲武信岳と三宝山が並んで見える。樹林帯を下り、埼玉県側に入ったところに甲武信小屋があった。荷物を置き、甲武信岳に向かう。雪の中を歩いた昨年のGWを思い出すと自然と足が軽くなった。山頂は絶景。雲が流れて富士山も今ははっきりしている。写真を撮るが逆光でほとんど失敗だった。夕食は登山道に生えていたと言う松茸を御馳走になる。

         
左:甲武信岳から国師岳、金峰山
右:木漏れ日の中の登山道

翌日再び甲武信岳の山頂に立つ。弟は昨日のラストダッシュでかなり消耗したとのこと。今日は距離が長いので昨日ほど余裕がない、心配だ。山頂からの急坂を下り、林の中の尾根道をひたすら歩く。斜めに降り注ぐ木漏れ日がまぶしい。今日もいい天気だ。時折視界が開け、国師岳が近づいてくるのがよく分かる。その一方で弟は遅れ始めてきていた。もうそろそろ昼食の時間だ。少し休もうか迷ったが予定通り国師岳まで頑張った。

  
左:夢の庭園から林道方向
右:北奥千丈岳から金峰山、朝日岳

国師岳で昼食。いきなり登山者が多い。ほっとすると同時になんだか身につまされた気分だ。渋滞の中を北奥千丈岳までゆっくり登る。おかげで弟もだいぶ回復したようだ。少し寄り道をして夢の庭園に入る。所々岩がのぞく斜面の上に木道が組み立てられていて、展望がよい。少し降りた大弛小屋ではコーヒーを頼んで休憩。昼寝で体調を整えた。林道のある大弛峠はもうすぐそこだ。


金峰山手前のピークから甲武信方面

林道を渡り、再び登山道に入った。十分休憩をとったので歩きもなかなか快調だ。割と急な坂をぐいぐい登ってゆく。時間が時間なのですれ違う人が多い。大弛峠を起点にしている登山者だろう。朝日岳の山頂からは展望は得られなかったが、その前後にはそれぞれ視界が開けている場所があった。金峰山の山頂に近づくと次第に植物の背が低くなり、岩の上を歩く格好になってくる。一番高い岩の上が山頂のようだ。看板はその根元に立っていた。翌日また来る予定なので山頂はいい加減に切り上げて五丈岩に挑戦するがちょっと無理だった。急斜面を下り、金峰山小屋に向かう。夜は星が綺麗だったので何人かで山の話をしながら消灯まで外で過ごした。

         
左:金峰山から日の出(中央は国師岳)
右:振り返って富士山

朝起きるともう空が明るくなってきている。カメラだけ持って小屋を駆け出す。弟は疲労のためにパス。山頂の岩の上はすでに五人ほどの人が登っていたので、隣の岩に陣取る。日の出まで三分と待つ必要がなかった。天候も展望も申し分ない最高の日の出だ。八ヶ岳方面を見ると光が反射しているのが見える。硫黄山荘だろうという話だった。下を見ると金峰山の影が山型を描いている。そして富士山、中央アルプスはもちろん、北アルプスの白馬方面もはっきり見える。しばらく時の経つのを忘れていたが朝食の時間を思い出し、あわてて小屋に駆け下りた。

  
左:金峰山の影
右:瑞

金峰山小屋からはトラバース道を通り、主稜線に出た。やせ尾根を渡り、急な斜面をこなしながら山を下ってゆく。樹林帯に入ると坂は幾分ゆるやかになり、だいぶ歩きやすくなった。早くも下から登って来る人とすれ違う。日の出と同時に瑞牆山荘を出た人達だろうか。大日岩を過ぎるとまた急なガレ場があり、ようやく大日小屋に着く。ここから富士見小屋までは歩きやすい道が続いていた。

  
左:瑞牆山山頂(背後は八ヶ岳)
右:
瑞牆山から金峰山

富士見小屋で休憩。バスの時間まで十分時間がとれそうだ。弟に瑞牆山ぐらい行こうと誘ってみるが効果無し、相当参っているようだ。弟には悪いがゆっくり先に行ってもらい、私はサブザックで瑞牆山へ向かうことにする。軽装なので先をゆく登山者を次々と追い越して岩場を上へ上へと向かった。しかし結局は山頂直下で息切れし、やむなく昼食。樹林帯を抜け出るともうそこは山頂だった。南面はほとんど垂直の絶壁だ。金峰山や大日岩がよく見える。中央、北ア方面も見渡すことが出来た。


バスに乗り帰路につく

山頂の景色を十分楽しみ、山を下りる。登りの時ほどの渋滞もなく難なく富士見小屋に戻ってきた。もう後は楽勝と思いきや最後の泥の急坂は登りの登山者をかわしたりして意外と難渋した。登山道は瑞山荘で終わり。弟はもう到着していた。瑞山荘でコーヒーを飲んで時間をつぶす。バスは定刻通り出発、増富温泉に向かった。温泉では韮崎行きのバスまで40分しかなかったのに、源泉の浴槽が混んでいて入るのに苦労する。ぬるいお湯で湯治に向いているかもしれない。韮崎までのバスは急いでいる客がいた為に運転手さんがとばしてくれて一本早い電車に乗ることに成功。新宿で一杯飲んだ後、富山行きの最終特急で家路についた。

余談

やっぱり欲張りな計画だったかも。時間的に割と余裕があったのでペース配分とかをもっと考えれば良かったかもしれない。

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