八溝山・栄蔵室

(1021.8M-881.6M)

茨城、千葉計画の終幕

日程

八溝山は言わずとしれた茨城県の最高峰である。しかし山頂にアンテナ塔があるなど開発が進んでおり、車から歩いて五分という近さは登山の対象として物足りないものがある。そこで一般的には高笹山を経由し唐竹久保に下りるコースが使われているようだ。私も当初は同じコースを狙っていたのだが、連日の睡眠時間の不足からやむを得ず計画変更を迫られる事になった。登山の時間短縮をはかり、睡眠時間を補う。その答えが八溝山と高笹山の往復だ。そうやっておいて栄蔵室を登れば筑波山より高い茨城県の山を全て登ることが出来るだろう。山はピークだけではないが、なかなか茨城まで来ることが出来ないと欲張ってしまうのが人間の性なのかもしれない。

 5月4日  九十九谷展望台(18:30)
5月5日 八溝山駐車場(06:35)=縦走路登山口(06:40)=池ノ平(07:20)=高笹山(08:10−20)=池ノ平(09:00)=八溝山山頂(09:50−20)=八溝山駐車場(10:25)
猿ヶ城林道入口付近(12:10)=南登山口(12:50)=花園山分岐(13:10)=栄蔵室(13:30)=花園山分岐(13:50)=花園山(14:05)=花園山分岐(14:20)=南登山口(14:30)=猿ヶ城林道入り口付近(15:10)
花園神社天心乃湯日立駅(19:20−20:12)上野駅
5月6日 富山駅(05:36)

山行記録

如何せん鹿野山を出るのが遅すぎた。木更津あたりから渋滞につかまり、千葉市を抜けるまで延々三時間半もかかってしまう。もう到着が次の日になってしまうのは確実だ。柏ICから常磐道に乗り、最初のP.Aで3時間の仮眠。八溝山の山頂駐車場に着いた時にはもう四時を回っていた。当初の計画でのスタート時刻は四時三十分。しかし既に体力的にも精神的にも当初の計画を実行する余力はなかった。そのまま仮眠して高笹山往復に計画を変更する。睡眠時間が少なすぎた計画のためにわざわざ持ってきたフライ、シュラフは実際何の役にも立たなかったのだった。

  
左:八溝山(池ノ平879.7Mから)
右:高笹山山頂921.5M

山頂の駐車場は何カ所もあり100台程度は停まれそうだ。空が明るくなってきたので朝食、トイレを済ませて出発する。八溝山の山頂には寄らず、道路をアンテナ塔方向に少し進むと右側に道標があって縦走路に乗り出す。快適な稜線歩きが続く、何しろ今回は出発点が最高点の登山なので最初から下りで始まる。しばらくして道標に従い分岐を右に折れると稜線を外れてしまうが、すぐに登り返して別の尾根に出る。この辺りから登山道は茨城県側に沿って付いているようだ。やがて池ノ平に到着。あまり特徴のないピークだ。さらに稜線を行き、登り返した所が高笹山だった。ここもあまりパッとしない山頂だが福島県側に展望が開けている。帰りは往路を戻った。この縦走路は木々に遮られて展望の良い場所がほとんどないが、逆にそれが貴重なのかと思ってしまった。また、帰りにはMTBの自転車パーティーともすれ違った。後で調べるとよく走られているらしい。意外といろいろ利用されている山なのかもしれない。


八溝山山頂

縦走を終え、ついに八溝山山頂へと向かった。三角点の前で早い昼食を食べる。いつの間にかたくさんの人が山頂に溜まって来てちょっと恥ずかしい。ここはすでに登山の領域ではないのだ。お城の形をした山頂の有料展望台は福島県側にあり、それだけで登る気を無くす。昼食を済ませ、駐車場へと戻る。帰り際に金性水、日輪寺に寄り、次の目的地、栄蔵室へと向かった。

         
左:猿ヶ城渓谷
右:栄蔵室山頂

カーナビに従い、国道118号、349号を通り、福島県境から県道27号線利用で猿ヶ城林道に乗り入れた。しかしこの林道、舗装はしてあるもののすれ違い困難、かつ通行する車は多い。駐車場などは無かったはずなので林道入口から歩く事にした。後から考えれば、登山口周辺には十分すれ違い可能なスペースがあって路肩駐車も少しなら可能だったのだが、仕方がない。県道沿いの待避スペースに車を停め、林道を渓谷沿いに登り始める。40分ほどで南登山口に到着した。入口の鎖を越えてダートの道を行くと壊れた機械のある場所に出て登山道が始まる。樹林帯の中を軽いアップダウンをこなしながら歩いてゆく。花園山との分岐点を過ぎるとすぐに急な登りがあるがそれもわずかで、緩やかな道を進んでゆくとやがて林道に出て山頂直下のアンテナ塔が見えてくる。アンテナ塔の直下まで林道を利用し、そこから階段を登り稜線に出る。栄蔵室の山頂は稜線づたいの目立たない場所にあった。展望はなく山頂の標識だけが立派に立っていた。


花園山798M山頂

思ったよりも早く栄蔵室に登ることが出来たので花園山にも登ってみる事にした。分岐点まで往路を引き返し、花園山へと向かう。まずは沢までずんずん下ってゆき、沢沿いに移動、そして登り返した場所が花園山の山頂だった。狭い山頂は特徴的なのだが、あいにく展望は樹木に遮られてよくない。近くにいた人に花園神社への道を聞かれたが、分からないのでそう答えておいた。途中にテープで道が塞いである場所があったが、それが多分神社への道なのだろう。そのまま往路を引き返し、山を下りた。

         
左:花園神社
右:五浦温泉天心乃湯

帰り際に花園神社に寄り、お守りを買う。なぜか急に体が重かった。GW山行の緊張が解けたせいで疲れが一気に出てきたようだ。とにかく温泉へと向かう。立ち寄ったのは五浦温泉「天心乃湯」。ここで夕食も済ませる。駐車場で荷物のパッキングを終わらせた後、レンタカーを返す為に日立駅前へと向かった。帰りの電車ではほとんど眠ったまま過ごす。今年のGWは我ながらとんでもない計画だった。

余談 当初の計画は蛇穴を起点として、八溝山−唐竹久保−町付と歩き、バス移動で蛇穴と言うものだった。計画変更は妥当だったと思う。
栄蔵室、花園山登山道は地形図に出ていないが、情報は十分にあり、問題なく登山を楽しむことが出来た。
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