市議会報告

平成23年度の決算を認定しました。

一般会計歳入決算額:850.2億円
一般会計歳出決算額:832.8億円
(形式収支+17.4億円、実質収支+7.4億円)


議会質問

平成24年第5回定例議会が9月6日から26日までの21日間の会期で開催されました。この議会では、人権擁護委員推薦について意見を求める諮問議案が3件、平成24年度茨木市一般会計予算をはじめ、平成26年度に完成を目指す茨木市総合計画条例の制定、災害対策基本法の改正に伴う茨木市防災会議条例及び茨木市災害対策本部条例の一部改正、指定管理制度を導入することに伴う茨木市立老人福祉センター条例の一部改正・茨木市立障害福祉センター条例の一部改正・茨木市立障害福祉会館条例の全部改正、省令の改正に伴う茨木市火災予防条例の一部改正、市道の認定・変更・廃止などに関する条例の一部改正など26の議案、平成23年度茨木市一般会計決算認定、平成23年度茨木市公共下水道事業特別会計決算認定、平成23年度茨木市国民健康保険事業特別会計決算認定など7件の認定議案について慎重な審議を行いました。

健全な財政運営を堅持
経常収支比率は86.2%で北摂No.1

行財政運営の基本となる市税収入は、個人・法人市民税が減少しましたが、固定資産税や市たばこ税の増加に伴い、前年度よりも2億円増加の441億円となりました。
贈与税や交付金を含めた税等一般財源は、普通交付税が4億円増加したことにより508億円となり、前年度より6億円の増加となりました。
今後の見通しは、平成23年度は若干持ち直したものの、平成24年度は固定資産税の評価替えによる大幅な減少が見込まれるとともに、長引くデフレの影響で景気回復の見込みは不透明なことから、財源の中心となる市税収入は依然として低迷することが予想され、継続した行財政改革が必要と考えています。
災害等の予期せぬ需要や急激な財源不足に備える法令で設置を義務付けられている「財政調整基金」は平成20年のリーマンショックによる急激な景気悪化による減収に対応するために12億円を取り崩し28億円まで減少していました。
その後、職員給与の削減や徹底した事業の見直し等により、基金を取り崩さずに事業を執行し、決算剰余金等を着実に積み立てた結果、基金残高は50億円まで回復しました。

「生活保護の適正化推進」と「救急医療の充実」について質疑を実施

生活保護の適正化取り組みについて

Q:生活保護の実態は?

A:・保護世帯→2,639世帯 ・保護人員→3,789人
   世帯別には73%が自立できにくい高齢者世帯、障害・傷病世帯
  ・保護率→13.73‰  ・扶助額→65.2億円(1/4市負担)

Q:相談や自立支援を図るケースワーカーの配置は?
  社会福祉法では一人あたり80人が標準と規定されている。

A:ケースワーカーは24人
一人あたり109ケースを担当

Q:生活保護費の不正受給対策を図るための、適正推進員の役割は?

A:・資産、預貯金の調査
  ・要保護者の自立を促すため年金調査を強化し年金等の手続きを支援。
  ・警察との連携で悪質者の対応を実施

*長引く景気の低迷で、生活保護世帯・人員ともに3年前と比較して約40%増加しており、茨木市が負担する扶助費も16億円と増大する傾向にある。
真に必要な人にこの制度を使ってもらうため今回、就労収入や預貯金・生命保険の未申告等を厳格に調査する生活保護費適正推進員を2名配置し、不正受給の撲滅を目指す。更に、ケースワーカーと就労支援員・求人開拓員との密接な連携で要保護者の早期自立に取り組むことを強く要望した。

救急医療の充実について

Q:茨木市の救急医療全般の課題認識は?

A:医師や看護士などの人員体制が確保できないことにより、救急指定病院が減収していること。一次救急で乳幼児の患者数が多くを占めているにもかかわらず、小児科医の確保が困難になっていることが課題である。

Q:平成23年中の初期医療機関・二次医療機関への救急車での搬送実績は?

A:

小児救急 茨木市 537件 (37.5%)
高槻市 767件 (53.6%)
その他 128件 ( 8.9%)
成人救急 茨木市  4,159件 (41.2%)
高槻市 4,676件 (46.3%)
その他 1,263件 (12.5%)

Q:二次救急の責任はどこにあるのか?

A:一次救急は市町村の責任で提供するものであり、二次救急は、都道府県が定める医療計画に基づき、二次医療圏域ごとに整備され、市町村の垣根を越えたサービス提供が求められるものとなっている。このため、二次救急の責任は大阪府にある。

救急医療

*救急医療の体制強化、特に小児救急医療体制の強化に取り組まなければならないと強く感じた。救急車での搬送実績で判るように、市民の多くは高槻市の救急病院で医療を受けている。特に、小児救急では、市内に二次救急病院は一箇所しかなく、時間外対応も困難な状況であり、市民の命が他市の病院で守られている。と言っても過言ではない。救急医療は、医療圏の中で人口の多い自治体に集中する傾向があり、茨木市にとって真に効果のある補助金の投入、初期救急医療機関の体制整備が必要と提言した。


平成23年度の決算内容
  歳入額 決算額 収支
一般会計 850億 832億 +18億
国民健康保険事業会計 264億 263億 +1億
後期高齢者医療会計 26億 25億 +1億
介護保険事業会計 124億 123億 +1億
財産区会計 57億 2億 +52億
公共下水道事業会計 79億 79億 +0.1億
水道事業会計 48億 51億 ▲3億

*主な財政指標

  • 経常収支比率 86.2%(前年度は87.2%)
    人件費や公債費などの義務的経費が市税などの経常的に収入される使途が特定されていない財源に占める割合。財政構造の弾力性を示す指標で100%を超えると赤字。
  • 財政力指数 0.96(前年度は0.99)
    標準的に収入し得る一般財源である基準財政収入額を、標準的な行政運営を行うために必要な一般財源である基準財政需要額で除した数値。財政基盤の強さを図る指標で1.0を超えるほど強い。
  • 公債費負担比率 8.6%(前年度は10.0%)
    地方債の返済に充てる経費に対する一般財源の割合。20%を超えると危険な状態。
  • 実質赤字比率 ▲1.52%(前年度は▲1.60%)赤字がないため▲記載
    福祉や教育、ごみの収集、道路や公園の整備などのサービスを市税収入で賄うことを基本とする一般会計の赤字額が標準財政規模に占める割合。
    夕張市の財政破綻から総務省が報告を義務付けした項目で、11.27%を超えると早期健全化団体となり財政再建策の提出が求められる。
主な審議議案
  • 人権擁護委員推薦について
  • 茨木市固定資産評価委員会委員選任について
  • 茨木市有功者を定めることについて
  • 茨木市市民栄誉賞受賞者の選定について
  • 茨木市非常勤職員の報酬に関する条例の一部改正
  • 茨木市防災会議条例及び茨木市災害対策条例の一部改正
  • 茨木市市税条例の一部改正
  • 茨木市総合計画条例の制定
  • 茨木市老人福祉センター条例の一部改正
  • 茨木市障害福祉センター条例の一部改正
  • 茨木市障害者生活支援センター条例の制定
  • 茨木市児童発達支援センター条例の制定
  • 茨木市駐車場の指定管理者の指定について
  • 市道路線の認定、変更、廃止について
  • 平成24年度茨木市一般会計補正予算について
  • 平成23年度茨木市一般会計決算認定について
  • 平成23年度茨木市特別会計決算認定について など

平成24年度の予算を認定しました。

一般会計歳入予算額:740.8億円
(対前年度▲87億円、▲10.5%)


平成24年第2回定例議会が3月5日から19日までの15日間の会期で開催されました。平成24年度は「市長の改選年度」であるため、当初予算は骨格予算として編成し、継続的な市民サービスの実施を基本に、社会福祉経費や施設の維持管理費等の経常的経費に加え、すでに設定している継続費・債務負担行為による義務的経費等が計上されました。
この議会では、平成24年度茨木市一般会計予算をはじめ、非常勤嘱託員の職に生活介護支援員追加に伴う条例の一部改正、経済社会の構造変化に対応した税制改正、介護保険計画の見直しに伴う保険料の改定、山手台新町・庄一丁目地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の制定、給水人口の増加に伴う茨木市水道事業の設置等に関する条例の一部改正、都市公園を設置すべき区域の指定、岩倉町地区防災公園街区整備事業の直接施行の同意、平成23年度茨木市一般会計補正予算、平成23年度茨木市公共下水道事業特別会計補正予算、平成23年度茨木市国民健康保険事業特別会計補正決算など28件の議案について慎重な審議を行いました。

木本新市長、一般会計31.3億円の補正予算
市税収入や経常経費の見直しによる財源を活用

4月8日に行われた選挙で当選され、4月18日から市長に就任された木本市長のもとでの6月定例議会が6月8日から28日までの日程で開催されます。
「安全で安心して健やかに暮らせるまち」「将来の発展を見据えた活力のあるまち」「夢があふれるまち茨木」の実現に取り組むため、当初の予算編成において、補正予算財源として留保した市税収入を基本に、職員給与等の経常経費の見直しにより確保した一般財源を活用し、6月だけでなく9月以降の補正予算対応も踏まえ、マニフェストの実現と行政課題の解決に向けた市民サービスの充実を図る新規・拡充事業を積極的かつ適切に実施する方針が示されました。
その主な内容は、

  1. ①議員定数、議員報酬削減と職員給与等の見直し
    • 議員定数削減32人→30人に。議員報酬一率10%削減
    • 特別職の給与等の見直し ▲1,458万円
      市長30%減額、副市長20%減額、教育長15%減額、常勤監査委員5%減額、
    • 一般職員の給与等の見直し ▲42,484万円
      給料3〜10%減額、管理職手当10%減額
    • 臨時職員賃金の見直し 6,151万円
      期末割増、通勤割増の支給
  2. ②安全で安心して健やかに暮らせるまちの創造
    • 妊婦健康診査公費助成額の拡大 56,000円→70,000円に
    • 高齢者肺炎球菌ワクチン接種公費助成の実施
    • 子育て支援の充実→私立保育所建設補助、児童虐待防止総括担当員の設置
    • 防災体制の強化→災害時備蓄品の拡充、防災行政無線の整備
    • 地域活動の活性化→コミュニティ基本指針の策定、公募型補助金の試行
  3. ③将来の発展を見据えた活力のあるまちの創造
    • 立命館大学開校に向けた整備→駅前広場、歩道用地、区画道路
    • 計画的な道路整備→茨木松ヶ本線、西中条奈良線、橋梁、歩道整備
    • 産業振興→プレミアム付商品券の発行、イベント創出育成補助制度
    • 山間部の活力向上→市民農園の整備、里山センターの充実

平成24年度の予算内容(6月補正含む)
  本年度予算額 前年度予算額 収支
一般会計 772億 827億 ▲55億
国民健康保険事業会計 278億 264億 +14億
後期高齢者医療会計 29億 26億 +3億
介護保険事業会計 129億 128億 +1億
財産区会計 56億 57億 ▲1億
公共下水道事業会計 81億 1億 ▲2億
水道事業会計 80億 76億 +4億

*歳入の主な内容

  • 市税 424億円の収入計画(前年度は439億円)
    個人市民税+1.2億円 法人市民税▲3.9億円 固定資産税▲10.7億円
  • 国庫支出金 129億円の計画(前年度は150億円)
    子ども手当負担金 ▲20.8億円 社会資本整備交付金▲2億円
  • 大阪府支出金 53億円の計画(前年度は60億円)
    介護基盤緊急整備交付金▲3.8億円 安心子ども基金▲2.9億円
  • 普通交付税 21億円を計画(前年度は12億円)
  • 市債 49億円を計画(前年度は68億円)
    赤字補てん債32億円 建設債17億円
  • 市税収入は、個人市民税の持ち直しはあるものの、法人市民税・固定資産税ともに落ち込み、前年比較で15億円の減少となる見込み。
    国庫支出金、大阪府支出金ともに政策の転換で大幅な減額となり、茨木市を取り巻く財政環境は非常に厳しく、更なる改革が望まれる。
主な審議議案
  • 茨木市非常勤職員の報酬等に関する条例の一部改正
  • 茨木市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正
  • 茨木市市税条例の一部改正
  • 茨木市介護保険条例の一部改正
  • 茨木市山手台新町地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の制定
  • 茨木市庄一丁目地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の制定
  • 茨木市営住宅条例の一部改正
  • 茨木市公民館条例の一部改正
  • 茨木市図書館条例の一部改正
  • 茨木市水道事業の設置等に関する条例の一部改正
  • 茨木市立コミュニティセンターの指定管理者の指定
  • 都市公園を設置すべき区域の決定
  • 茨木市岩倉町地区防災公園街区整備事業の直接施行の同意
  • 平成23年度茨木市一般会計補正予算について
  • 平成24年度茨木市一般会計予算について
  • 平成24年度茨木市特別会計予算について など
主な質疑内容

大阪府で制定をめざして議論が進んでいる「職員基本条例」、成果主義への転換や勤務成績不良者の分限処分が注目されているが、数年前から制度として導入している当市の実態を検証した。

①総合評価制度について

茨木市では、能力評価と業績評価システムを構築し、ボーナスの勤勉手当に反映しており、一定の成果主義への移行ができている。
しかし、その内容は、まだまだ初期的な段階であり、更なる取組の強化が求められる。

  • 今後、この評価制度を使い定期昇給や昇進、昇格にも連動させること。
  • 業績評価の勤勉手当に反映しているのは課長職のみ、一般職への拡大させること。
  • 成績率は絶対評価の5段階評価、大阪府では相対評価を基本としており、評価結果がセンターに集中する傾向があり是正を求めた。

②分限処分について→平成21年から分限処分の指針を制定、平成24年1月より分限処分の運用方針を制定し、より実効性のある内容にしている。勤務成績不良者や適格性欠如に該当すると思われる職員について、指導対象職員と指定したうえで、指導・研修を行い勤務成績不良から改善されるように運用している。

  • 分限処分と懲戒処分の基準を明確にすること。
    地方公務員法 第27条で規定されている通り、分限処分は公務能率の維持向上を直接の目的とするものであり適正な運用を求めた。

③職員定数と大阪府からの権限委譲を検証した。

  • 平成21年 正規職員数 1,798人(再任用97人)
  •      非正規職員数1,320人(非常勤嘱託184人)
  • 平成22年 正規職員数 1,801人(再任用101人・任期付57人)
  •      非正規職員数1,291人(非常勤嘱託117人)
  • 平成23年 正規職員数 1,797人(再任用130人・任期付69人)
  •      非正規職員数1,320人(非常勤嘱託107人)

特令市における人口1,000人当たりの職員数は寝屋川市に次いで2番目に低い職員数となっている。

  • ●茨木市5.9人 ●寝屋川市5.5人 ●枚方市6.5人
  • ●吹田市9.0人 ●豊中市9.3人

平成21年〜平成23年まで3年間の大阪府からの権限委譲事務数は42事務となっており、その主な内容は

  • 身体障がい者手帳等の交付事務
  • 児童福祉施設設置(保育所等)に係る認可
  • 社会福祉法人の設立許可
  • 老人デイサービスセンター設置の届け出受理
  • 特定非営利活動法人の設立認証
  • 大規模小売店舗新設届け出の受理など

事務量の増加がある中で、職員数は3年前とほぼ同数であり、事務の効率化、生産性のアップが図られている。今後も少数精鋭主義を基本に、民間活力やNPO等との連携を図り、更なる改革を推進するよう求めた。