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ソーイング sewing
 フィードサックとは 
 現在、キルト・ファンの間で人気のフィードサックと呼ばれる生地は、かつてアメリカで使われていた穀物などを入れるための大型の布袋のことです。

 アメリカの農家では古くから手縫いの布袋が穀物やタネや飼料を保管するために使われていましたが、1864年に丈夫なステッチが縫える工業用のミシンが開発されたると、穀物や製粉業者が小麦粉や穀物の輸送や保管に布製袋を使うようになり、大量のフィードサックが製造されるようになりました。

 フィードサックは初期のころ厚手のキャンバスで作られ、穀物などを購入した農家は穀物業者に空の袋を戻して再利用していましたが、その後、流通を簡略化するため工場ではあらかじめ袋詰めしたものを出荷するようになりました。倹約家でもある農家の主婦は、このコットンの袋がタオルや衣類などに利用できることに気づき、使い終わった空の袋は家庭でさまざまな用途に用いられるようになりました。また、フィードサックの製造業者も農家の主婦が欲しがるようにデザインすればもっと売れるのではないかと考えました。

 1920年代にはプリントのフィードサックが売り出され、たとえば、3枚の同じ袋で洋服が出来るなどと購買意欲をそそるようにしましたが、そもそも農家にとっては穀物袋ということで容易に購入できました。
 1930年代の大恐慌による不景気や戦時中の物不足の時代にも、フィードサックは衣類等が購入できず自ら作らざるを得なかった数多くの女性たちに生地として利用されました。1937年には当時のルーズベルト大統領がそれまでさまざまな大きさのものが作られたフィードサックのサイズを標準化しました。50ポンド用のフィードサックが34×38インチ(約85×95cm)、100ポンド用が39×46インチ(約98×115cm)となりました。

 1942年には300万人以上の女性や子供たちがプリントのフィードサックで出来た服を着ていたとの見積もりもあるそうです。また、現在ではコレクションの対象となっているディズニーのキャラクター、映画やコミックブックの主人公をテーマにしたフィードサックも数多く作られました。

 しかし、1950年代末には価格の高騰で穀物業者たちは厚手の紙やプラスチックで出来た袋を用いるようになり、フィードサックは使われなくなりました。現存するフィードサックは主に1930〜50年代に生産されたもので、倹約家の農家の主婦が大切に洗って保管していたものです。


<参考
Planet Patchwork  URL: http://planetpatchwork.com
Quilt History  URL: http://www.quilthistory.com


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