あとがき

 

 

このお話は、民話でかなり古いお話のはずなのですが内容は現代にも通じるお話です。

と言うか、かなり昔も今も同じだなあと言う感じが訳しながらずーっと付きまとっていました。

アワンベドはハンサムでまた、パントンの名手。

パントンと言うのはマレーシアの4行詩で、即興でこれが読めるというのは、頭もよく詩的な素養があるということ

で、それがこの時代でも評価に値することであったようですね。日本でも平安時代などで即興で和歌を読む名手

がもてはやされたのと同じですね。今なら流行のシンガーソングライターのような感じではないでしょうか。

機知にも富んでいて女性にとてももてそうです。

 デビというのは美しいと言う意味で、このお姫様がとても美しかったことが想像されますが、彼女が恋の魔法に

かかり、恋に落ちてしまうと腑抜けのようになり恋に悩むのですが、またその恋のために大胆な行動をとるので

す。その結果子供が生まれ、父親の怒りを買い追放される。子供は森に捨てられて、動物に育てられる。

この子が親を探しにやってきて、子供とわかり、親子の名乗りを上げます。

このお話は、王様の隠し子が突然現われた時に周囲を納得させるために後からつくられたお話かもしれません。

動物が突然出てきたりは変な感じですが、他の国の人たちのことかもしれません。恋するようにかける魔法も

魔法と言うより、恋は魔法のように人の心を捉えるということでしょう。このお話は今までのお話の中で

一番現実的なお話のように思えてきます。(川の牙もお話と言うより言い伝えと言う感じですが)

 話が飛びますが、闘鶏がいきなりでてくるところは、「闘鶏師モロン」のお話を思い出させます。

この時代は闘鶏は もっともポピュラーな娯楽だったのでしょうね。

                                                               Miki

 

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