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  白馬岳=しろうま(2932m)  
長野・富山県 2010.07.19. 単独  マイカー 地図 白馬岳 一等三角点
猿倉駐車場(4.05)---白馬尻(5.05-5.10)---大雪渓上部(6.45-6.50)---避難小屋(7.20)---村営宿舎(8.05)---白馬岳(8.40-9.00)---村営宿舎(9.25-9.35)---避難小屋(10.00)---白馬尻(11.10-11.20)---猿倉駐車場(12.05)

梅雨が明けて猛暑到来。そして夏山は梅雨明け10日が狙い目。今夏も北ア、南アの山を2,3登りたいと考えている。

まずは最初に白馬岳、目指すは雪解け後のお花畑だ。期待通りに迎えてくれるかどうか・・・

深夜2時30分、マイカーで自宅発、猿倉駐車場着4時少し前。出発準備を整える間に明るくなってきた。猿倉荘の裏手から歩き始める。すぐに林道へ合流。鑓温泉への登山口を見送り、林道終点から緩やかな登山道へ入る。猿倉山荘までちょうど1時間、夜はすっかり明けきり、朝陽に輝く黄金色の白馬岳がのぞめる。

一服して出発、この時期少し歩くとすぐに雪渓となる。アイゼンなしでスプーンカットを利用して脚を運ぶ。たまに脚を滑らせるが危険というほどのことはない。雪渓の中は冷蔵庫に入っている

杓子岳(避難小屋から)

ような心地よさを感じる。雪渓上には転石が多いので、一応上部への注意を怠らない。先を登る人の姿は見えない。今朝の雪渓登りは私が一番のようだ。

傾斜が少し増してきて、雪面もかなり硬くなってきた。4本爪の軽アイゼンを装着。体調がいいのか体の動きも快調、疲労感もない。下を見ると何人か豆粒のような姿が見える。

大雪渓を1時間30分ほどで登りきる。一息入れてアイゼンを外す。今朝山頂小屋を発った登山者が次々と下山してくる。いよいよ待望のお花畑が広がってきた。
過去に5回白馬岳山頂を踏んでいるが、この雪渓を登ったのは2回だけ、雪渓の先にお花畑が開けるのは実にいいものだ。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、シロウマタンポポなど、杓子岳の雪渓や、大きな岩を点景にしてまるで絵を見るよう。

小雪渓をトラバースして少し登れば近年建て替えられた避難小屋だ。
避難小屋から少し登ると村営頂上宿舎の建物が見えてくる。疲労感もほとんどなし、予想外に早く登れたようだ。体調完璧ということだろう。

ウルプソウ クロユリ ミヤマクワガタ

ウルップソウ、ハクサンフウロ、ミヤマオダマキなど、途切れることのない花のオンパレードに満足しなから村営宿舎に着く。残雪際の斜面にはウルップソウの群落が広がる。ここは脚を止めることなく稜線へ、さらに白馬山頂へと向かう。稜線に出た瞬間に北からの冷たい風にさらされる。気持ちいい涼風を通り越して寒さで鼻水が出てくる。そして大パノラマの展開だ。山頂までも花々が賑やかにつづく。ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイ、イワツメクサetc.
白馬山荘の建物の間を通り抜け、比較的緩い勾配を登りつめれば6回目の一等三角点白馬岳の山頂だ。

なにしろ雲ひとつない。おまけに大気の澄明度もすこぶる良し。遠く富士山をはじめ、名だたる山々がひしめきあっている。この視界の中に日本300名山はいったい何座あるのだろうか。毛勝三山を従えた剣、北ア奥座敷の水晶岳、赤牛、薬師、そして槍、穂高など、数え切れない名山を眺めてひと時を過ごした。

村営宿舎の前の陽だまりは、今度はポカポカとして実に気持ちいい。山頂の寒さが嘘のようだ。
あとは休むことなく避難小屋、そして大雪渓はアイゼンをつけずに快調に下っていく。が、油断があった、へっぴり腰で下っていく人たちを“何とぶざまな・・・”なんて思いながらのルンルン気分はよかったが、雪渓最終100メートルほど手前で足を滑らせてしまった。反射的にストックで転倒を防ごうとしたのがまずかった。そのまま尻餅をつけばどうということはなかったのに、ストックで体重を支えたために体全体が空に浮いた状態になってそのま雪面へ落下、したたかに左脇と背中の境目あたりを叩きつけてしまった。

骨は大丈夫だろうが、痛みを感じながら駐車場へと帰着。
帰宅後も痛みがあって動きが不自由、『歳を考えなさい・・・・』と妻のこごと。

73歳で標高差約1700メートルの白馬岳往復7時間(休憩を除く)日帰りというのはちょっとやりすぎかもしれない。

ミヤマキンポウゲ ハクサンイチゲ ミヤマオダマキ
ミヤマダイコンソウ シロウマタンポポ キバナシャクナゲ
イワベンケイ タカネツメクサ ミヤマシシオガマ

上記写真以外に私が名前を指呼できた高山植物は次のとおりです

キヌガサソウ サンカヨウ シナノキンバイ チングルマ タカネヤハズハハコ
タカネツメクサ ミヤマキンバイ テガタチドリ イワオオギ イワギキョウ
ミヤマシシウド ハクサンフウロ コイワカガミ


≪白馬岳の登山記録≫
1963.07.・・
雨中登山、猿倉から往復  ●白馬村営小屋一泊
1990.07.21 栂池-小蓮華岳-白馬三山-不帰ノ険-八方尾根  ●天狗山荘泊
1991.08.15 蓮華温泉-朝日岳-雪倉岳―白馬岳-猿倉   ●朝日小屋泊
1998.07.23 猿倉-清水岳-白馬岳-杓子岳-白馬鑓-白馬鑓温泉-猿倉 ●白馬村営小屋泊
2005.08.04 猿倉-旭岳-白馬岳-猿倉  ●日帰り