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信州東信地方 かさつぶれ山(天白山)(1285m)

信州東信地方の寂峰3座を訪ねる。ガイドブックもネットの情報もない。加えて2万5千図に登山道の記載もなく、登山対象から外されたような知られざる山。低山ながらルートファインディングと薮こぎ覚悟、終日の好天予報を味方にして登ってきた。

天白山(1285m)・・・真田町  殿城山(1193m)・・・上田市  大室山(1147m)・・・旧東部町  
長野県 2006.02.22 単独 マイカー (四等三角点)
コース 赤井集落の先(7.35)−−−林道へ出る(7.50)−−−第7鉄塔(8.35)−−−中電電波反射板−−−第7鉄塔−−−1285メートル標高点ピーク(8.50)−−−第7鉄塔−−−駐車地点(9.35)
2万5千分の一地図(真田南東)を見ると赤井集落の北東に1092.7mの三角点記号(四等)と電波塔の表示がある。三角点名は「天白山」だが山の名前は記されていない。地元では「かさつぶれ山」と呼んでいるようだ。三角点から東へ向かう尾根をたどると1285メートルの標高点がある。
三角点は尾根の途中でピークとは言えないので直接1285メートルのピークを目標にした。
なお、三角点までは林道があるようだがこれは無視して歩くことにする。山の名前は何というのか不明だが、点名『天白山』という三角点延長線上にあるピークということで『天白山』と勝手に名づけた。
鉄塔付近からの展望、右から白馬鑓、八方尾根、五竜、鹿島槍、爺ケ岳



上田ICを出てR144号を真田町へ向かう。横沢の信号を右折して県道4号線へ入り南下、真田氏歴史館付近で赤井集落へと入って行く。
赤井集落の中を2本の道路が東へ向かっているが、2キロ前後で合流する。付近に民家らしい建物が1軒ある。
この合流地点付近から歩くことにする。

頼りは地図だけ、登山道は記されていない。赤井集落奥からピークに向かって送電線が記載されているのでこれを目印にすれば何とかなりそうだ。うまくいけば送電線巡視路があるかもしれない。
頭上の送電線を確認して山の斜面へ取り付く。藪は比較的薄く、雪もたいしことはない。雑木の藪につかまりながら薮の薄いところを選んで登って行く。下には赤井集落の田んぼが見えるので帰りはこれを目印にすれば迷うことはないだろう。

15分ほど登ったところでかなりはっきりした踏跡に出た。巡視路のようだ。駐車した車道のどこかからこの巡視路が来ているはずだ(帰りはこれを下って確認することにする)。
この踏跡をたどると鉄塔NO.5に出た。展望が開けて北アルプスの銀嶺がのぞめる。鉄塔からわずかに登ると車道に出た。四等三角点へ通じる林道かもしれない。林道を左に向かってしばらく進むとNO.6、NO.7巡視路の表示が目につき、ここからまた巡視路へと入る。鉄塔NO .6を通過して樹相がカラマツから雑木林へと変わってくると間もなくNO.7鉄塔で大展望が展開する。
北アルプスは白馬から穂高までが一望、まさに銀の屏風だ。とりわけクリームを塗りつけたような白馬方面の雪の白さが目を引く。四阿山・根子岳も間近にあり、目の前にはいずれ登りたいと思っている達磨山の険しい姿もあった。
北へ一足延ばしみるとそこは中部電力の電波反射板が建っていて、ここからは八ケ岳・美ケ原方面も望むことができる。電波反射板から尾根を下って行けば四等三角点となるはずだ。
NO.7鉄塔まで戻り、今度は南方1285メートルの最高点ピークへ向かう。こちらも10分とはかからなかった。樹木に囲まれて展望は良くない。山名を示す標識一つとしてない。まさに寂峰だ。木立の隙間から南アルプスと富士山がのぞけたのは儲けものだった。

名もない低山だったがみごとな展望を楽しめ、拾い物でもしたような満足を得て山頂をあとにした。
今朝方の取付で雑木の薮を登った箇所は、帰りは巡視路をそのまま下ってみると、思ったとおり車を止めた車道からわずか200メートルほど離れたところへ降り立った。そこにはNO.4、NO.5、NO.182、の巡視路表示があった。


巡視路を使えば気軽に登れて展望も十分に楽しめる山。もう少し知られても良い山だと思う。
 
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