山のエッセイ3022 up-date 2001.08.07 山エッセイ目次へ
日本百名山は≪日本137名山≫などとタイトルをつけると、なにやら謎めいていていったい何を書くのかと思われるかもしれません。
いいえ、たいしたことではありません。 日本百名山の選定に際し、深田久弥は次のように書いています。 「候補リストを作ってその中から選定して行った。及第すれすれで篩(ふるい)にかけねばならぬのは、愛する教え子を落第させる試験官の辛さに似ていた」 そして候補に上がりながら落第となった山37座を具体的に上げています。(下表参照) 落第したとは言え、それは及第すれすれで、100という枠のために、はみ出さざるを得なかったもので、及第した山とくらべても何ら遜色はないということです。私も同感です。 むしろ落第した中のいくつかは、選ばれた山と入れ替えたいものもあります。 100座に絞り込んで行く過程で、最終的に137座が残ったのでしょう。はみだした37座を落第としたわけですが、それは《泣いて馬謖を斬る》=泣いてばしょくをきる=という心境に近かったものと思われます。 こうした選定の過程を見て見ると、日本百名山と言いますが、実質的には日本137名山と言うこともできそうです。いいえ、そのほうが正しいように思います。 選定に苦慮した深田久弥を想うとき、彼のためにもぜひとも落第した37座も登頂すべきだと考えました。この37座も登って「日本百名山踏破」と言えるような気がします。 その後時を経て、日本山岳会による日本300名山が発表されたとき、その中には落第した37座のうち2座(荒沢岳とウペペサンケ)を除くすべてが含まれていました。 私の日本300名山踏破は、この落第生を拾い上げるべく登頂をめざしたことから発展して行ったものです。 2001年7月、ウペペサンケ山登頂をもって137座すべてに登ることができました。 一つの区切りがついたという気がしています。 日本百名山踏破をなし終えた方には、こんな視点で残りの37座に挑戦してみることをお勧めします。
●このほかいい山ではあるが、高さなどの理由で選に洩れた山として、東北の3座と近畿の2座が上げられています。 森吉山 ・姫神山 ・船形山 ・鈴鹿山 ・比良山 ●蛇足ながら、37座はおおむね日本百名山登頂者ならば、容易に登れる山ばかりですが、「毛勝山」だけが登山道がありません。残雪期に急峻な雪渓を登攀することになります。 毛勝山登攀については私のHPに登山方法を載せてあります。参考にしてください。 ****毛勝山*** |