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王の剣士2 「絶滅種」




 彼等は初めから、その厳しい地にいた訳ではない。
 だが彼等の種としての弱さは、他種との競合の中で、次第に彼等をより過酷な地へと追いやっていった。
 急峻な山肌、果実を結ばぬ木々、天を突く先峰に陽光は遮られ、大地の恵みは乏しい。
 時に餓えで幾人もの仲間を失い、それでもそこは、彼等にとって安住の地ではあった。
 単にそこ以外行く場所を持たなかったとしても。


 ……一つの選択を示そう。

 彼等はある手段を持っていた。
 それは彼等の餓えを満たし、命を繋ぐ。しかも容易く。
 それは、恵みをもたらすばかりの手段ではない。

 どんな選択が最善か。


 どの段階で、誰に答えられるだろう?





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renewal:2007.04.30
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