明神ヶ岳

(1169.1M)

富士山の展望台、箱根

日程

今年の雪はやけに早くやってきた。11月になったばかりというのに富山市内から見る稜線は全て真っ白。しかもかなり積もってしまった。そんな中、今年も弟と山に行くことになった。今回の目的地は箱根。首都圏から十分日帰り圏内、しかも有名な温泉地である。登山のあとロープェイで観光、温泉に入るコースで行くのがいいだろう。うまくいけばまだ紅葉が残っているはずだったのだが。

11月9日 町田駅(06:50)新松田駅(07:45)最乗寺(08:30)=見晴小屋(09:10)=明神ヶ岳(10:25)=明星ヶ岳(11:35)=強羅(13:05)桃源台(14:40−15:10)強羅(15:55)箱根湯本(16:50−18:53)町田駅(20:15)

山行記録

例年通り前夜弟の家で一泊し、早朝出発。町田で小田急線に乗り換えて新松田駅へと向かう。早朝にも関わらず列車は混んでいて座ることが出来なかった。どうも幸先が悪い。新松田駅に着き、とりあえず駅前のコンビニで必要な物を調達する。新松田駅はかつて丹沢に登ったときに利用したことがあるのでお馴染みの場所だ。写真を撮ろうとしたが逆光だったのでやめる。新松田駅から最乗寺まではタクシーを利用した。30分で本堂に乗り入れる。運転手さんが山好きな人で登山の話が盛り上がった。


大雄山最乗寺

お寺の本堂でお参りして写真を撮るが、カメラが動かない。電池が切れていたのだ。あいにく近くに売店等はなくあきらめて出発する事になった。駅前で試しに撮っておくべきだったのだ。今回の山行写真はほとんど弟が撮った写真を使わせてもらった。気を取り直し、本堂に背を向ける形で登山口の小さな橋を渡り山の中へと入ってゆく。尾根に出るとき多少急な場所もあるが全体的に快適な登山道が続く。途中、何度か林道を横切る事になるが道標があるので迷う心配はない。


見晴小屋の看板

展望のない尾根道をひたすら登ってゆくと見晴小屋に到着した。正面からは麓の街が眺められる。小屋の壁には「山を汚す登山者は山に登る鹿くなし・・云々」と書かれた標語が貼ってあった。鹿バージョンは初めてだ。記念に写真を撮っておく。


背後に小田原

見晴小屋を過ぎるとやがて樹林がまばらになり、景色が広がってきた。振り返ると相模湾と小田原の街がよく見える。神明水を過ぎるとなだらかなススキに囲まれた道となりその先にはこれから向かう稜線が見えてくる。快適だがやや単調な道だ。すぐ傍には朽ちかけたリフトの支柱が間隔をおいて並んでいる。ガイドブックによれば登山用リフトの名残らしい。

       
左:明神ヶ岳山頂
右:富士山、手前は金時山

ススキの道が終わるといよいよ山頂直下の登りに差しかかる。明神水を飲み、やや急な坂道を登ってゆくとやがて稜線に出た。いきなり正面に富士山。あまりに見事な演出だ。山頂まで50Mを残して頭の中が真っ白になってしまった。対岸には箱根山の連なりがそびえ立ち、南の方には伊豆大島が意外に大きな姿を見せている。気を取り直してから山頂に移動。既に30人ほどの人達がいて広い山頂もあらかた埋まっていた。やはりこの景色を前になかなか動けない様子だ。

             
左右:快適な縦走路

明神ヶ岳から明星ヶ岳までは稜線を縦走する事になる。十分景色を満喫した後、山頂を出る。富士山は既に雲に隠れてしまっていて未練はない。鞍部までは結構下ってしまうが、その後はゆるいアップダウンの縦走路が続く。再びススキの並ぶ道が現れる。どうも人工的な気がしたが、どうやら防火帯になっているらしい。刈り払った跡か何かなのだろう。縦走路に沿って延々と続いている。


明星山山頂

明星山の山頂は縦走路上の目立たない場所にあり、気を付けていないと通過してしまいそうだ。南西の方角が少し開けていて景色を眺めながら昼食を食べた。ここからは麓に下りるだけなのでのんびり昼寝して過ごす。


明星ヶ岳(ロープウェイから)

静かだった山頂もいつの間にか混み合って来た。時間も時間だし、昼寝にも具合が悪くなってきたのでとりあえず出発。縦走路を少し戻った分岐から宮城野へと下りる。大文字の横を通り過ぎるとあとは展望のない登山道をひたすら下るのみ。九十九折りの急斜面を下り、樹林帯を抜けると舗装道路に合流した。


明神ヶ岳(ロープウェイから)

道路を道なりに下ってゆくとやがて宮城野橋に到着。そのまま車道沿いに強羅へと登ることにする。S字カーブの途中からは階段を利用。途中で道を尋ねつつ歩いてゆくと強羅駅の裏に出ることが出来た。


芦ノ湖

強羅の駅前はケーブルカー待ちの人で一杯だった。すぐに列についたのだが40分待ち。すし詰めの状態でケーブルカーに乗り込んだ。当然ロープウェイとの連結もうまく行かない。予定をかなりオーバーしつつ桃源台で休憩、強羅へと折り返した。
強羅からは箱根登山鉄道に乗り換えて箱根湯本に向かう。既に日は落ちてしまい車窓からの景色は楽しめなかった。期待した箱根の紅葉もほぼ終わっており、やや時期的に遅かった事を痛感する。箱根湯本で温泉に入り、小田急で町田へと向かった。登山よりも観光に疲れた一日だった。

余談 稜線に出ると目の前が富士山だった。見事。
登山よりも景色を楽しむ山。箱根まさに箱庭と言った感じ。
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