於茂登岳・野底岳・カーラ岳

(525.8M−282.4M−136M)

沖縄県最高峰に登る

日程

沖縄県最高峰の於茂登岳だけは沖縄計画を組み立てる前から知っていた。逆に言えば他の山は全く知らなかったと言うことになるのだが、とにかくこの山は沖縄登山では外せない。石垣島初日ということもあって、この日はとりあえず簡単に登れる有名な山を登った。時差のせいで日の出が遅く、朝がゆっくりになってしまうのが残念だ。ハブが怖いので暗がりの登山など思いも寄らない。

1月1日

石垣市内(07:40)於茂登岳登山口(09:10)=於茂登岳(10:20)=於茂登岳登山口(11:20)野底岳登山口(12:10)=野底岳(12:50)=野底岳登山口(13:30)玉取崎(14:00)カーラ岳(15:00−30)桃林寺観音堂(17:20−18:40)石垣市内(19:00)

山行記録

ホテルで朝食をとったあと、歩いてレンタカーを取りに行った。元旦の早朝ということもあってか街は閑散としている。レンタカーの手続きも手早く済んだ。今日は初詣で桃林寺観音堂あたりが混雑するという話。これは行かねばなるまい。車を出し、最初の目的地である於茂登岳に向かった。地図に従って於茂登林道に入れば、看板が登山口まで導いてくれる。登山口には既に四台ほどの車が停まっていた。

       
左:於茂登岳登山口
右:コンクリートの登山道

通りがかりの白いゴム長を履いている老人に会う。近所の人でよく登りに来るとのこと。道すがらいろいろと案内してもらい、山頂まで一緒に歩いた。登山口から少し行ったところで見える石組みはかつての炭焼小屋の跡で、反対側の藪に覆われた平坦地はかつて日本軍の施設があったという話だった。また、山頂のアンテナを建てるときに資材を担いだ話などいろいろ興味深い話を聞くことができた。

  
左:藪の中の三角点
右:山頂からの景色、底原ダムの湖が見える

最期の水場の看板を過ぎると登りが急になってくる。階段状に積まれたブロックの道を歩いてゆくと風が出てきて稜線に出た。笹が高くて展望は利かない。平坦な山頂部を道なりに歩くとやがて正面にアンテナ施設が現れた。三角点はそこからしばらく先に行った藪の中だった。付近の岩に乗って頭を出し、ようやく景色を眺める。分岐点からもう一つのアンテナにも行ってみた。少し先に進むと大きな岩があり、岩の上でくつろいで景色を楽しむ。

       
左:山頂から桴海於茂登岳
右:沢筋に流れる滝

すぐ隣には桴海於茂登岳がどっしりとした山容を見せている。明日、登る予定の山だ。自然と体に緊張が走る。目を転じると底原のダム湖から向こう側の海岸線が一望できた。帰り道は往路を下り、看板に従って滝を見に行く。登山道から五分程の寄り道だ。登山口に戻ると車の数が倍になっていた。爺さんと別れて次の目的地、野底岳に向かう。予定時間をかなりオーバーしてしまったが、かなり有意義な山行だった。

  
左:野底マーぺー登山口
右:野底岳

於茂登トンネルをくぐり吹通橋で一休みした後、野底岳に向かう。特徴的な山容は遠くからでも見分けがついた。県道から看板に従って進むとすぐに登山口だ。看板などは野底マーペーで統一されているのでこっちが本当の名前なのかもしれない。登山道は始め緩やかだが、山頂直下は結構急斜面でロープがつけられているところもある。雨でも降れば滑りそうだ。やがて山頂。風が強い。そして思った通り景色は最高だ。

         
左:野底岳山頂
右:山頂から野底崎

山頂直下が切り立っているせいもあって、上下左右遮るもののない展望だ。山頂には先客が一人登っていて山頂の岩の上で写真を撮ってもらう。風が強くちょっと怖かった。その人の足元はサンダル履きで登るのに苦労したと思う。私は無論登山靴だが、沖縄だと案外サンダルで登っている方が似合うのではないかと思ってしまった。もっともハブの事を考えればそれは論外なのだが。山頂には野底マーペーにまつわる民話の書かれた看板が立てられている。十分山頂の景色を楽しんだ後、往路を戻り山を下りだ。

  
左:カーラ岳
右:西峰より於茂登岳と桴海於茂登岳

玉取崎に寄り、昼食をとった後、カーラ岳に向かう。山の北側を走る砂利道を走りながら登山口を探したが、背の高いカヤのために登山口が分かりにくい。それらしい入り口に入るとうまく西峰に至る広い道に出た。西峰は植物の背が低いので見晴らしが良い。鞍部を越えて東峰の山頂に向かう。少し南側に外れるように登山道がついているが、だんだんカヤが高くなってきた。南側からの登山道と合流すると後は背丈よりも高いカヤの中をただ山頂まで登るのみだった。無論、景色はカヤの間から覗くのがやっとだ。今朝の新聞によればカーラ岳は新石垣空港の候補地の中にあり、かなり削られてしまうとの事。もう登ることもないだろうと思うとなかなか山を下りる気にはなれなかった。


桃林寺観音堂

宮良川で日没まで過ごし、桃林寺観音堂へと向かう。そろそろ人も減っているかと思って行ったのだが、まだまだ長い列がついていた。結局、一時間待ち。まあ、初詣はこうでなくてはいかんものだ。今後の山行の無事を祈ってホテルに帰った。

余談

初日にしては予定通りの行動が出来て何も言うことはないけど、ちょっとのんびりしすぎた様な気がする。八重山の気候のせいなのだろうか。

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