高千穂峰

(1574M)

自分との闘い

日程

この日の予定は霧島縦走だったが、前日の高隈山で足を痛めてしまった事もあり中止せざるを得なかった。いっそ観光にでも行こうと考えていたが、とりあえず高千穂峰だけ登ってみる事にする。足の状態を見ながら最短コースの往復。情けないがそれが精一杯だ。せっかく来たのだから動くべきという思いが吉と出るか凶と出るか。足に聞くしかない。

5月5日 霧島神宮(06:30)道の駅霧島(06:50−07:30)大浪池登山口(08:10)=韓国岳避難小屋(09:20)=大浪池登山口(10:50)高千穂河原(11:10−12:15)=高千穂峰(13:35)=高千穂河原(14:40)霧島神宮(15:40−16:30)新湯温泉新燃荘(16:50−17:20)道の駅霧島(17:40)

山行記録

朝になっても雨は止まなかった。まあ、観光するならどうでもいいか。屋根のあるところで朝食を食べたかったのでとりあえず移動する。道の駅霧島は満車状態だったので少し離れた道路脇の東屋で食事を済ませた。観光するには早い時間なので少し休むと雨があがってきた。やっぱり、歩こう。大浪池なら大丈夫そうだ。なんとなくえびの高原に立ち寄ってから大浪池登山口に向かう。雨は止んだもののガスが出てほとんど何も目に入らない状態だ。


大浪池

コンクリートの登山道をひたすら登ってゆく。コンクリートが終わり、赤土の登山道を少し登ると休憩所のある分岐点。階段が目に付いたので右回りコースをとる。しばらくするとガスが流れてようやく大浪池が目に入って来た。近すぎて写真に収まりきらない。思ったよりも大きな池だ。池を周回する道からは常に池が見えるわけでなく、山手側は池の外縁に下りてしまうのが残念。池を半周したところで一瞬ガスが晴れて韓国岳が見えた。結局晴れたのはその一瞬であとは何も分からないまま池を一周して登山口の方へ引き返した。高低差が少なかったので足の調子は上々だ。

         
左:高千穂河原(正面は料金所)
右:自然探求路

次は高千穂河原に向かう。先に高千穂峰に登り、明日に霧島縦走を残しておくつもりだ。駐車場のベンチで昼食をとり、一休みしてから出発する。気が付けば天候が晴れ間が見えるまで回復してきた。やっぱり縦走すれば良かったか。など思いつつ、駐車場から自然探求路に足を踏み入れた。石畳の道がいかにも散策路といった感じで気持ちいい。

         
左:ガレ場から高千穂河原を振り返る
右:御鉢から高千穂峰

石畳の道はやがて火山特有のガレキの急登に変わる。見た目もかなりしんどそう。油断すると足を取られそうだ。そしてやっぱり足にきた。ちょうど地獄の針の山を登っているよう、足の裏が痛い。大浪池が楽だったから油断したか、今更絆創膏を貼る。気を取り直して再び登り始めるが痛いもんは痛い。それでも周りの景色を見たり気を散らしながらなんとかお鉢の上まで歩ききった。

         
左:最後の登り
右:山頂

御鉢の上は傾斜も少なく、ちょっとした縦走気分を楽しむ。かすかに中岳が見える。御鉢を離れるといよいよ最後の登りだ。これがまた急登だ。再びのガレ場に足が悲鳴を上げる。階段らしき物があるにはあるが、土が流れてしまっているので用をなしていない。道幅が割と広いのでジグザグに歩くように心掛けながら歩いた。山頂は割と広く、適当な場所で足を広げてひっくり返る。ちょっとこの山を甘く見すぎたかもしれない。

   
左:霧島神宮
右:新湯温泉(新燃荘)

虫がうるさいので早々に山頂を後にした。下山は登りほど辛くはなかったが、それでも足裏に衝撃を与えないよう静かに歩く。途中、霧島神宮の古宮址でお守りを買い、高千穂河原に戻った。
しばらく辺りの施設などを見て回り、休憩してから再び霧島神宮へ。朝とは打って変わってかなりの人で賑わっていた。観光案内所に寄ってみたが、考えてみればもう観光するには遅い時間だ。ここは欲張らずに温泉を探す。移動途中に目を付けておいた新湯温泉に入ることにした。日帰り入浴30分以内の看板が気になったが、時間が遅いためか混み具合はさほどでなく気持ちよく温泉に浸かった。皮膚病に効果があると言うことだったが、足裏にも絶大な効果があった。痛みがかなり改善。明日に望みをつなぐ。道の駅霧島で夕食をとり、寝袋を出して東屋で寝た。夜は再び雨だった。

余談

つらい一日だった。今回の山行で唯一雨の落ちなかったこの日を体調不良で逃したことがかなり痛い。
高千穂河原には登山に使える案内板が見あたらず不安な場面もあったが、歩き始めると道標は充実していて特に問題はなかった。

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