立山(別山・雄山・浄土山)

(第二部)

かろうじて翌日の予定も成り立ちそうで安心して眠りについたのだが、寒さの為に何度も起こされた。今回は軽装で来たので厚手の服は一枚しか持っていない。やむを得ず雨具を出してシュラフに入るが、寝心地が悪い。寝過ぎということもあるかもしれない。うやむやに時間を過ごすとようやく日が昇ってきた。明るくなるのを見計らって、朝食をとりテントをたたむ。食料は飴だけになった。

         
左:地獄谷
右:上から剣岳、別山、真砂岳

さすがに10月の立山は寒い、零下にはなっていないようだが身体が震える。手間取りながらも準備を整え出発した。川を渡ると雷鳥坂の登りだ。高度をかせいでゆくとやがて地獄谷を中心に景色が一望できる。しかし下が見えても上は見えない。その辺りがちょっと苦しいところ。直前になってようやく剣御前小屋が現れる。別山までは真横に剣岳を見ながら快適に歩いた。後立山連峰の山々も眺められる。別山で休憩。剣岳を正面に腰を下ろした。

                
左:富士ノ折立
右:富士ノ折立から大汝山

やがて登山道はなだらかな真砂岳を越えて富士ノ折立への登りにかかる。これが意外と苦しい。もうシャリバテなのだろうか。飴を食べても効果は無く、かえってザックのチャックを壊してしまう。もう気力も尽きそうだ。一息つきながら一歩一歩ようやく富士ノ折立に登っていく。やっとかっと到着した山頂からは360度の展望。続く大汝山も好展望。黒部湖を遊覧船が走っている。元気百倍、気がつけば空腹など忘れてピークハントを楽しんでいた。このあたりは登山道も緩やかなので割と余裕だ。

         
左:雄山神社峰本社
右:浄土山から雄山

ついに雄山神社峰本社に到着。この時期すでに神社も売店も閉まっているが登山者は多い。近くにいた登山者と山座同定をしてみるがもっと詳しい人がいたので聞く側にまわった。槍ヶ岳や笠ヶ岳、黒部五郎岳などがよく見えた。雄山を後にして一ノ越へと下るが、まだまだ登ってくる人が多くすれ違いに結構手間がかかった。一ノ越では最後の登りに備えてカップラーメンを買って食べる。


浄土山山頂の祠

一ノ越山荘の裏に回り、浄土山へと登りにかかる。今日最後の登りだ。食事をとったせいか足取りも軽い。登り詰めると龍王岳の見える分岐点に出る。すぐ下が浄土岳だ。陽気がいいのでしばらくベンチで昼寝を楽しむ。帰りは室堂からバスに決めたので時間はたっぷりある。思ったより登山者が多い。写真を撮ってあげたりして時間を過ごす。ガスが出て寒くなったのでようやく山頂を後にした。浄土山からの下りはかなりの急坂だった。慎重に足を運ぶ。室堂山展望台に続く道に合流すると室堂ターミナルまで石組みの道が続く。まだ時間が早いこともあって、バスはほとんど待ち時間無しで乗り込むことが出来た。ケーブルに乗り立山駅へ。コンビニで買った食料は確かに車の中にあった。

余談

濡れた木道はかなりの難所だった。時期が違えば少しはマシになるのだろうか。
美女平周辺の探勝歩道は穴場だと思う。たまには森林限界の下を歩いてみるのも変化があっていいと思う。

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