議員インターンシップ参加者の感想

友次インターン最終報告書

友次みちのり議員インターン
同志社大学 社会学部 1年 森田 華代

この春休みにこの機会に恵まれなかったら、この先自分の偏った考えかたによる将来設計をしていただろうと思います。いろいろな人・価値観に触れた結果、同じ事象も自分の中の考え方や感じ方が確かに変わってきたなと感じます。気づくのが、知るのが今でよかった、そう思える出来事がたくさんありました。

1)自分の目標に関して
インターンが始まったとき私が決めた目標は、「政治を自分のこととして実感できるようになること」と「考えていることを他人に説明できるようになる」でした。
一つ目に関して。友次インターンでは政治課題や組織形態、政治家の仕事を重点的に勉強したわけではありませんでした。自分の人生(将来)について考えること、今の自分を見つめることに重きを置く活動でした。しかし、返ってそのような活動で、自分が生きていく中での政治の位置づけ、政治や経済の動きをチェックすることが重要で避けられないものだということを学びました。今回の活動は、回り道のように見えて実は目標と直結した気づきを得られるものでした。あるものを考察するとき、違った方向から、あるいはちょっと視野を広げてみることで自分の知りたかったことがわかったり、重要なことに気づけたりするんだなと思いました。
新聞やニュースの議会風景や街頭演説している議員さん、ポスターなどを見てたくさんふくらませていろんなことを感じられるようになりました。それから、政治に興味を持つことは、自分が本当に国内、社会とつながっていく感じがしました。このような実感から、目標は達成したんじゃないかなと思います。

二つ目に関して。私は「結論を出す」という習慣がないことがわかりました。説明ではなく感想文になってしまっています。政策研究にしても、街頭演説にしても「いいたいこと」と言われる部分を理解できていませんでした。「〜と感じました。」そのことが私にとっては大きなことで、そこから、何か意見を生み出すという作業がありません。要素のひとつひとつに言いたいことがたくさんあって、オチに導くまでに必要なステップとなる部分がどこなのかわからなくなっているという実態がわかりました。「論理的思考」ができないとは、言葉ではわかっていたものの、具体的にわかっていなかったと思います。これもインターンシップで批評しあったり、アドバイスをくれたりする環境だったからこそ見つけられました。根本的な「国語力」が欠けているので、ここから補充していきたいです。ちょっと重症なのでこのインターンシップでは解決できませんでしたが、具体的に何が自分にかけているのか、どうしてできないのかがわかっただけでも大きな収穫でした。これを、課題としてこれから解決していこうと思います。

2)投票の意義について
私は、国民、市民の投票の意義とは、「個々の立場の表明」と考えます。恥ずかしながら、私はこのインターンに参加するまで、“どこ(誰)に投票するか”=“どこ(誰)が正しいと思うか”だと思っていました。しかし、この春休みの間、特に議会傍聴をした際にこれが間違いだったと気づきました。議員さんというのは、各政党や個人で意見が違っていても、結局みんな目指すところは「この街をよくする」ということに一致しているのだということを知りました。同じ目的でありながら、意見がこんなにも食い違うのは、多大な政治課題の中での優先順位だったりとか、考える方法・政策の違いからなのだということがわかりました。こんな基本的なところにも正しい理解がなってなかったことが情けなかったです。そして、この考え方が自分のものになったとき、同時に自分が選挙に行き、政党ないし個人名を書くことの捉え方も変わってきました。正義の味方を見定めるのではなくて、自分と意見が一致する人を探さなきゃいけないのだとわかりました。さてしかし、そうなるとはっきり自分の意見がないと意のある投票ができないということです。「誰がなっても一緒」というよく聞く言葉も、全体を見た時には一理あるのかもしれません。しかし、自分一人に視点をおいた場合に、その同じ言葉が言えるかということです。それは、自分の社会の中での立場が確立されていればいるほど、政治の動きも自分の立場に対してどうなのかが重要になってきます。そうしたら、必然的に投票したくなるのではないでしょうか。若者の投票率が低くて、年を重ねるにつれてその割合が上がっていくのも当然っちゃ当然なのかなと思いました。

しかし、今の状況は改善しなければなりません。特に、「未来を担う立場」としての若者の存在表明が数値に出していくことが必要だと思います。しかし、若者にとっては社会の動きはもちろんそうですが、そこに身を置く自分の立場がわかりにくいというところに問題があると思います。極端な話、お年を召した方ならまさに今行政のサポートを欲しているのだから、それを優先順位の高いところに置いている議員政党に投票すればいいでしょう。しかし、若者に課される問題は将来のことで、なおさらわかりにくいのかなと思います。
単なる関心の希薄化が進んでいるのも確かだと思います。若者が関心を寄せることも、理解しようとすることも大切です。それが大前提ですが、わかりやすく広報することなど周知を徹底することにももう少し力を入れてみてほしいなと思いました。それから、自分の立場をしっかり理解して表明することが、行政の正しい社会の認識と繋がるし、行政が目指すものとみんなが思い描くものの一致に繋がります。一個人として、社会を反映するという責任が自分にはあるのかなと思いました。

3)興味のある社会問題について
私が興味を持ったのは「格差社会」です。このインターンシップの中での塾活動を通して、格差の広がりが顕著だということを知りました。格差の問題として、「拡大」と「固定化」が見られるといいます。私が問題視したのは「固定化」の方です。世代間で格差を継承してしまうのは実に不公平だと思うからです。自分の努力ではどうにもならないことが、人生を制限してはならないと強く思います。例えば、教育格差、男女格差、世代間格差などです。それをどうにかするのが政治なのだと認識しました。これから、問題だなと思うところがあったときには、行政の側がどのように対応しているのか調べてみたいと思います。