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  群馬県の山4座をを登る(2011.5月20〜21日)

    群馬百名山4座・・・・・四郎山・燕巣山  戸神山  鉱石山・木賊山  鹿俣山


四郎岳(2156m)・燕巣山(2222m)

群馬県 2011.05.20 単独 マイカー 地図 三平峠(日光) 四郎山 二等三角点
コース 丸沼温泉(6.20)−−−四郎峠(7.40)−−−四郎山(8.35-8.40)−−−四郎峠(9.10)−−−休憩5分−−−燕巣山(10.25-10.45)−−−四郎峠(11.20)−−−丸沼温泉(12.20)
残雪の沢を遡上していく
四郎岳は多雪地帯上越国境に近い山。しかし残雪の様子はまるで不明。その点に多少の心配をかかえながら終盤を迎えた群馬百名山仕上段階の一座ということで出かけた。

長野市を3時過ぎに出発、一般道を走って登山口の丸沼温泉へ到着したのが6時10分。
身仕度を整えて6時20分スタート。丸沼温泉の大きな駐車場の奥にゲートがあり、その脇に四郎岳への道標が立っていた。そこに「至 湯沢峠」という表示もある。ゲートの先に湯沢峠があるということだろうか。

四郎岳登山道はゲートの先へと進む道ではなく、左手の流れ(四郎沢本流)の対岸(右岸)に見えていのがその道だ。渡渉は飛び石伝いに難なく渡れる。

るんるん気分になりそうな良い道は長くはつづかない。5つ6つの堰堤を左岸側、あるいは右岸側と越えていく。すぐに窪地に残雪を見るようになる。この先の雪の状況が気にかかる。
広い河原状の中、わかりにくい踏跡を拾いながら、やがて小さな流れとなった沢を踏跡や、テープなどを目印にして何回も渡り返しながら遡上をつづける。ときには大きな倒木を乗り越え、また潜り抜けて行く。一般のハイカーが踏み入る山とは違う様子が濃くなってた。

四郎岳山頂
サビ色の岩盤を流れ下る滑滝を目にし、水辺の縁の残雪をおっかなびっくりで伝ったりしているうちに、左手灌木の枝に10センチほどの『四郎岳』というプレートが目に入った。足下ばかり見ていたら見落とすところだった。そこには、これも見落としてしまいそうなロープ、ここで這い上がれということらしい。
ロープで登ったところは沢と沢に挟まれた馬の背状の小尾根、しかし俄然歩きやすくなった。

ほどなくすると、再び沢は二分する。かなり複雑な地形のようだ。それに残雪もかなり多くなってきた。下山時に間違えないように気をつけないと・・・・。
下山の目印を慎重に覚えこみ、残雪と夏道を交互に繰り返し、最後は歩きやすくなった道を登りきると四郎峠。ここは痩せた稜線のコルだ。

ここまでの高低差350メートル、要した時間は1時間20分分。私としてはかかり過ぎた。少し頑張らなくは。
地図を見ると峠から四郎岳へは急登の連続。残雪が多かったら引き返すことも選択肢にして出発する。
少し進むと早速雪を踏むようになる。このあと山頂まではほとんどが雪上歩行だ。アイゼン、ピッケルを携帯しなかったのが悔やまれる。

登れるところまでは登ってみる覚悟。
キックステップも冬用登山靴と違って蹴り込みに力が足りない。2回ほど蹴り込んで足場をしっかりさせる。こんなことを繰り返していると脚筋肉の疲労がどんどな進む。身を支える助けになるものがあれば、何にでもつかまっり手の助けも最大限に利用。

かなりの残雪
かなり気温は上がっているが、下山の時間までに足跡が消えてしまうことはないと思う。それが安心材料だ。
峠から山頂までの高低差350メートル、それにしても休む余裕も与えない急登に次ぐ急登を55分、かなりの疲労感を抱いてようやく山頂に到達した。

三角点は残雪の下、コメツガ樹林の樹幹に『四郎岳2156m』のプレートが取り付けられている。秘峰的な雰囲気が漂っている。黒木の樹林が邪魔になって展望には恵まれにないが、南方に日光白根山が意外に近く望めた。そして四郎峠を挟んだ先に黒々とした三角錐を見せるのは燕巣山、できたらついでに登ろうと考えてきたが、意外に疲れていて、いまだに態度を決めかねている。

群馬百名山の一つを踏破した満足感でひとまず峠まで戻るとにする。

スリップに注意しながらも下山はやはり早い。峠まで30分で下ってしまった。
下りが足休めになって燕巣山への意欲か出てきた。四郎岳同様に残雪が多かったら引き返すことを想定しての挑戦。

*
燕巣山山頂から燧ケ岳をのぞむ 燕巣山山頂から奥白根山(左方木の背後)をのぞむ
10分ほど先の日当たりで5分の休憩。道は稜線上に明瞭で迷うことはない。雪も四郎岳よりかなり少なく、地面の出ているところが多い。山頂まで行けそうな気がしてくる。

登りの勾配は四郎岳と同様、決して楽ではない。標高が上がってくると次第に雪上歩行が多くなってきたが、四郎岳のような不安は感じない。背後に四郎岳の姿が競りあがってくる。ここから見てもま雪をたっぷり残しているのが見て取れる。
ところどころにあるテープを確認し、帰りの不安を感じる箇所には赤布をいくつか残す。

疲労のたまった足を励ましながら、ようやく勾配が緩んでくると燕巣山の山頂だった。3つ4つ、私製の山頂表示プレートが見える。山頂の周りには分厚い残雪。展望は日光白根山から錫ケ岳方面、北方には尾瀬の燧ケ岳とその左奥は平ケ岳だろうか。

展望を楽しみながら20分ほど休憩したのち、山頂を辞す。
残雪はグリセードもどきに降りたりして、1時間15分かかった登りを30分余で四郎峠まで下った。

峠から四郎沢の本流に下るまで、これが意外に難しかった。まさにルートファインディングの世界、山肌を何本もの小沢が下っているので、十分注意して歩く必要がある。それに上ったときの足跡は雪面からほとんど消えているので、一つ油断したら大変だ。1か所だけどうしても方向を見定められずに不安に陥った場面もあったが、動物的感がうまく当たって無事に四郎沢本流に降りることができた。

あとは沢に沿って左岸右岸を渡り返し、達成感に浸りながら丸沼温泉へと下って行った。