魚野川へ行こう!(その9)


第9話「雷雨の中の眠り姫(堀ノ内から梁下まで)」キャロライン千絵 著

キャロライン千絵造

時々思い出したようにカヌーに燃える女性。カヌーにおける武勇伝は他の者を圧倒する。その天然ボケで、笑いをとらせたら右にでるものなし。苦手なことは、一人でテントで寝る事御菓子が無いと機嫌が悪い。ネーミングはBOY。

本のオビ重い腰を上げて仕上げた幻の一品。雷雨の中で、熟睡してしまったお姫様の物語。本人のやる気のなさか、終電に追われて書いた作品はそれなりの出来。


レポート書きました。

サポート組みと別れる頃から、遠くが異常に暗く、先は雨かもしれない、と思いつつ気持ち良くみんなで漕いでいると、みるみるうちに、空が暗くなってきました。
前方から雷雨が迫ってきた!

あわてて上陸し、アリィなどフネをひっくり返し、全員でフネの中で雨宿りする体制が整うやいなや、待っていたかのように大雨が・・・。

光って3秒後には、雷が鳴り、相当近くに落ちている様子。

まぁ、落ち着くまで停滞するしかないと思えば、フネの中は、なかなかこれがcozy。

会社の研修で朝の5:00までプレゼン資料を作り、翌日午後に研修終了後、東海道新

幹線で小田原から自宅を経由し、今度は上越新幹線で浦佐へ。

みんなと川で遊びたくて、無理をしてきたけれど、お疲れモードだった私は、どうせ

動けないんだから・・・と雷がガンガン落ちる中、

気持ち良く昼寝をし、回復した頃には小雨になっていました。

聖子さんには「あの雷の中寝るなんて信じらんない!」とさんざん言われたものの、

今となっては、スリル満点、体力回復の停滞タイムでした。

ということで、その後はまた気分良くツーリングが続いたのでした。

報告については、みんな楽しんでいるところを、水を差してしまいごめんなさい。

終電前に必死で最初で最後のきゃろ幻のレポートを書いたんだから、

次の人だれでもいいけどお願いしますね!(きゃ)

(オレなんですかね?書いたことないけどやってみます。ジャンボ)


これで、このパートを終えてしまうのはあまりにももったいないから、継ぎ足しとこう。

両面を護岸された堀ノ内の町を過ぎると、嬉しい事に、山が迫ってきて、景色が美しい。しかし、空もどんどん暗くなってきた。そんな時に、川フネに気持ちよさそーに乗っている青年団風のおじちゃん達が近づいてきていうことが、またオレらを暗くさせる。

なんと、数日前に川に流されたお爺ちゃんを捜索しとるんだと。

堀ノ内でのヘリコプターの追撃は、捜索しとったんじゃな。どうりで、流されるオレらカヌー船団の上空を同じ速度で、延々付いてきたワケだ。マーカーとして利用してやがったんだなー。山が両岸に迫り、道路から離れた。普段なら願っても無い風景だが、背筋に冷たいモノが走る今となっては、少し心細い。暑かった日差しはすっかりどこかへ行ってしまいとうとうポツリポツリ雨が落ちてきた。

その時、天空を引き裂く稲妻が走り、轟音が轟いた!

川で、いや野外で一番危険なのは落雷だ。亥の一番に岸につけ大粒に変った雨の中で、アリーをひっくり返し土手に被せて避難所を作る。グモ、ヤングブラッズ(ホリデー)、アリーを3杯ならべてちょっとした仮設住宅のできあがりだ。

一息着いた後、なんとなく笑ってしまうのであった。

「アジアでよく出会うスコールのようだねー」

という風来乏氏の話を聞いているうちに、いままでやった雨宿りのことなど思い出す。
小降りになったかなと油断すると風が強まり横殴りの雨に変った。

真ん中の裏返りフネに陣取ったキャロラインは、ハードスケジュールの為かクークー寝息を立てている。すごい度胸だ。しかし、さっきからやけにビカビカ、カミナリが光るなーと思ってたら、隣りで、風来乏氏がフラッシュを焚いて、キャロリンの寝顔を撮っていたのであった。風来乏氏の撮る旅での子供たちの笑顔の写真には心が洗われる。キャロラインの寝顔に、可愛い天使を垣間みたのかもしれない…。

ようやく小降りになってきた。大分明るくなってきたぞ!
さー、出発だ。
およそ1時間近い停滞だったが、良い川旅のアクセントになった。
さー、ゴールに向けて、光を目指して船団が再び船出した。