魚野川へ行こう!(2000 初夏)

越後三山の麓を流れる清流、魚野川

水が澄み、鮭が遡上する秋も素晴らしいが、初夏も水量が豊富で、快適な川下りが楽しめる。
天気にも恵まれ、久々に楽しい川下りを堪能できた。東北の川と同じく鮎の解禁は7月から。梅雨の晴れ間に、快適な瀬に流されるのも一興だろう。最近の近況と仲間の様子を盛り込んで、越後の銘川、魚野川紀行をお届けします。

第1話
遥かなり魚野川
第2話
地ビールの瀬
第3話
八海橋の沈
第4話
親子川旅
第5話
橋の下宴会
第6話
晴天2日目
第7話
バカップル沈1
第8話
バカップル沈2
第9話
雷雨の中の眠り姫
第10話
クライマックスの瀬出現!
第11話
回収部隊の舞台裏
第12話
大団円


各話の著者のプロフィールとストーリー、書評を独断と偏見で列挙します。


第1話「遥かなり、魚野川」たいちょお著

たいちょお

言わずと知れたこの駅伝競作物語の発起人であるアホタレ・パドラー。オラオラ隊隊長でもある。地球上の山川海で遊びまくるのを生きがいにしている。もうすぐ父親になる

Storyアネゴの抵抗に、健気に立ち向かいながら、越後の銘川、魚野川へたどり着くまでを瑞々しいタッチで、綴った不朽の名作。


第2話「豪快、八海山地ビール8級の瀬」 風来乏 著

風来乏

アジアロマンを求めて放浪するさすらいカヌイスト七輪をこよなく愛す正統派、日本男児。蔵書はお宝の山との評判が高い。氏の失敗談は人々の腹をねじりあげ、まさに抱腹絶倒の渦に巻き込む。生きる喜び、勇気、人性の意味(?)を与えてくれる、にちがいない。)

書評今回の前半メインの瀬、「八海山地ビール8級の瀬」で翻弄される様を、軽妙なタッチでコミカルに描写した楽しい一品。


第3話「轟沈!八海橋の瀬」タカロー著

タカロー

別名、堀口雪上隊隊長。そのアバウトさ・大らかさは、少年の頃の黄金時代を彷彿させてくれる。新雪清流を好み、状況に応じて、トップギアに急加速する怒涛の爆裂パドラー。病気になることが多いのは何故?

あらすじ初日、唯一の沈を見事に決めたわれらが雪上隊長。沈のさ中に垣間見る光景、心の葛藤を迫真の筆致で描き、人生観を変える名著。本文が失われたのが本当に残念である。


第4話「親子川旅」 たてちゃん 著

たてちゃん

オラオラ隊きってのスポーツマン。いまだテニスの現役選手。爽やかなのだが、オヤジ臭さを醸し出してしまうのは、オラオラ隊員の宿命(サダメ)か。あきらめてくれ。今回は、カヌーデビューのワンパク小僧、を引き連れ、トウチャンとしての顔もキチンと見せてくれた。

解説八海橋の瀬で、行こうか止めるか迷う男の心情を手に取るように書いた傑作。息子とのやりとりが微笑ましい。詳細な記述が生き生きとした臨場感を生んでいる。オラオラ隊の思い出に触れる暖かみ溢れる文章が懐かしい。ノモトハリゲーも回想シーンでゲスト出演。


第5話「橋の下での宴会」たてちゃん 著

おしながき原稿を依頼したキャロラインの仕事がいそがしいく、たてちゃんが再登板!


第6話「晴天の2日目」たいちょお 著

事の顛末またまたキャロのレスポンスがなく、いいだしっぺのたいちょおも再登板。越後三山をバックに気持ちのよい川下りの様子をそう快に書き下す。


第7話「バカップル沈その1」 ハツキーニョ 著

ハツキーニョ

オラオラ入隊の資格を得た唯一の女性。若かりし頃は、ガール・スカウトで、ブイブイいわし、昨今のドームテントを簡易テント呼ばわりする生っ粋のアウトドアズ・ウーマン。なぜだかBOYと仲がよくなってしまう。

楽屋裏アツアツな二人がそのバカップルぶりを遺憾無く発揮させた力の篭もった作品。その臨場感溢れる会話のやりとりは、思わずその場にいるかのような気持ちにさせる。感想は。。。もう、勝手にやっちょって!


第8話「バカップル沈その2」BOY(関 直樹 作)

BOY

日本全国チャリで、旅した後、ネパールカナダ北極圏南米パタゴニアも走破。オラオラ隊切っての放浪者である。年齢とともに厚みができて、最近は説教オヤジになってしまった。時折みせる少年の瞳は、初めて出会ったあの日のままである。良い男だ。男友達にとっては…

ひとこと自由か愛憎か?これが男の生き方。夢と現実のギャップを赤裸々に綴った詩的なポエム。第7話と対比が面白い。


第9話「雷雨の中の眠り姫(堀ノ内から梁下まで)」キャロライン千絵 著

キャロライン千絵造

時々思い出したようにカヌーに燃える女性。カヌーにおける武勇伝は他の者を圧倒する。その天然ボケで、笑いをとらせたら右にでるものなし。苦手なことは、一人でテントで寝る事御菓子が無いと機嫌が悪い。ネーミングはBOY。

本のオビ重い腰を上げて仕上げた幻の一品。雷雨の中で、熟睡してしまったお姫様の物語。本人のやる気のなさか、終電に追われて書いた作品はそれなりの出来。


第10話「クライマックスの瀬、出現!」ジャンボ・ススム著

ジャンボ・ススム

オラオラ隊きっての知的派。落ち着いた風貌の裏には、アフリカを放浪したり、単身渡米して法律事務所で働くなど、行動力も兼ね備える。アフリカではケニア山キリマンジャロ山に登頂。久々の川下りにも関わらず、雄々しく豪快な瀬に突っ込んでくれた。

感想今回一番興奮したクライマックスの瀬。雄々しく挑む青年の葛藤が、手に汗にぎらせる血沸き肉踊る作品。これぞ、金字塔。これぞ、クライマックス!


第11話「堀之内から浦佐までの回収部隊の舞台裏」 たてちゃん 著

を5歳にしてカヌー・デビューのこれからが楽しみな少年。彼のデビューでオラオラ隊の今後も安泰だ。オラオラ隊、新隊長を襲名。

舞台裏回収部隊にまわってくれた、たてちゃんタカローハツキーニョの軽妙なやり取りが楽しいサポート隊の裏話。


第12話「大団円」 たいちょお 著

アネゴ

オラオラ隊隊長、たいちょおを顎で動かす女傑。すべての決定権を握っている実力者であるが、なぜか人気者だったりする。妊婦なのに魚野川の他に釧路川源流部も一人で下ってしまった。得意ワザは、自分勝手!

ふぃなーれ笑顔ゴール。感動の最終回