UNCLEおじさんの言いたい放題

9月号UNCLEおじさんの私ならこうする!

 先々月号のことですけど1面で本部が音楽祭大成功と言っているのに4面ではけなしているとおこられました。
 今後は反省しまして1面で失敗と書いてあることを褒めるようにします。(笑)
 冗談はさておき、音楽運動も記事のあつまりに苦労しているようで機関紙部長も紙面を賑やかにするために色々な案を出しているようです。
 そのひとつが1年程前から募集している「イントロ私の場合」。
 これは歌集に載っているようなよく歌われる歌のアレンジを私ならこうする!というものです。
 が、未だにどこからも投稿がない!という訳で、今回のいいたい放題は「UNCLEおじさんの私ならこうする!」
 題材はずばり「ありがとう私のうた」。
 実を言うと今村さんのこの曲、オリジナルを聴いたことはありません。
 でも譜面から想像する曲の感じはみなさんが思っているようなスローテンポのしみじみと語りかけるような曲なんでしょうね、ちょうどコンサートのエンディングで使われるような。
 それはそれで素晴らしいアレンジ(というか素のまま?)でしょう。
 もちろんソロで歌う場合はそのアレンジがいちばん聴く人に感動を与えるアレンジといえるでしょう。
 話は飛びますが、最近の音楽祭は全逓がラストをつとめることが多くなりましてこれが大変理想的なのです。
 なぜならば全逓の人達は結構真面目で出番以外はきちんと客席で他の歌を聴いている人が多いです。(耳が痛い人もいるかな?)
 そんな訳で全逓がラストになると最後まで客席の人数が寂しくならない!という現象がおきます。
 しかし、ひとつ問題があります。
 ラスト故にエンディングも担当しなければならないという点です。
 御存じのように全逓は毎年その年にできたオリジナルを発表していますが、そのオリジナルを覚えて歌えるように練習するのが音楽祭の前日な訳で、参加者は発表曲だけで手一杯というのが現状です。
 加えて参加者の半数以上が若い人達でエンディングに使われるような超有名曲(日音協では)も聴いたことがないという人も多いのです。
 しかも単純でアップテンポの曲はなんとかなっても「ありがとう私のうた」の ようにスローテンポで深い曲はなかなかこなすことが難しいです。
 ましてや大人数のコーラスとなればなおさらです。
 そこで「イントロ私の場合」の登場です。
 原曲というか巷歌われているリズム感ではソロでは出来てもコーラスで合わせるのは指南の技。
 といってテンポを変えたら曲のニュアンスが違ってしまう。
 ということでテンポは変えずにむしろ遅めに16ビートでアレンジしました。
 初めて聴いた人はなんとテンポの速い曲でなにが始まるのだろう、と思うでしょうね。
 でもイントロが進むにつれ、どこかで聴いたような感じでひょっとしたら、と思っているところに「ふりかえれば」という歌詞がでてきて「な〜んだ」ということになる訳です。
 それでは細かく個々の解説をしていきましょう。
 16ビートでアレンジして細かいきざみをいれることによって音符ひとつひとつの粒を揃える訳ですね。
 いわば演歌のようなノリをなくし、譜面通りに歌う訳です。
 もちろんこれで原曲のニュアンスを正確に伝えたかどうかは疑問ですが。
 個々の楽器で見ていきましょう。
 ドラムは当然16ビート。といってもテンポ70ですから8ビートで140叩ければ問題ないですね。
 正確に16ビートでなくとも小節の頭だけおさえればOK、というよりも多少ラフなほうがすこしハネ系も入ってノリがよくなります。
 ラテン系リズムに近くなりますので、ドラムだけでなく何かパーカッションも入れたいですね。
 富山の音楽祭では小玉貞三さんにぶっつけでコンガをやってもらいました。
 歌い手に16ビートを意識してもらうためにもここは是非必要ですね。
 ベースはというと、いくら16ビートといっても16叩きっぱなしでは忙しいので短くて細かいフレーズを多用してフレーズ間はたっぷりととるようにしました。
 ドラム同様小節頭はルートでおさえ、あとはいかに遊ぶか、ですね。
 ピアノも同様にして短く細かいフレーズで間をいかすようにします。
 理想を言えばスリーリズムで同時に鳴る部分を極力なくし、歌のフレーズの合間を縫って常に誰かがソロをしている、といった感じでしょうか。
 リード楽器はその音色からアコーディオンとしましたが、ピアノとのぶつかりをさけて右手のみです。
 イントロ、フィルともに明確なメロディラインはなく、いわばアドリブ的にコードに沿った音の羅列で、いわばジャズのジャムセッションのような雰囲気で推移します。
 もちろん他の楽器同様、十分と間をとったフレーズであることは言うまでもありません。
 ですからイントロ、間奏共に特別なコード進行は設けず、よくあるサビのコード進行になっています。
 話はそれますが、原曲の小節数ちょっと気になりますね。
 頭のフレーズの繰返し部分で1小節多い訳なんですがどなたが歌っても1小節早く歌い始めてしまうようでテクとして意外性はありますが、どうも肝心なノリを殺しているようで・・・
 他の曲でもよくあることでどうも思い入れが強すぎて必要のないところでリットorフェルマータしかり、日音協は歌手主導のせいか演奏陣泣かせの曲が多いですね。
 プレーンな状態でしっかりと歌えた上で演奏陣とのコラボレーションで色々とアレンジしていく、というなら大いに結構なんですが、みなさんはどう思われるでしょう。
 さてこのアレンジ、全ての曲、場合で通用するアレンジではありませんが、アレンジにつまった時、音楽祭等で理想の演奏編成ができない時等に発想を利用してみてください。
 原曲のイメージと全く違った発想も時には必要かと思います。
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