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  群馬県の山6座をを登る(2011.5月9〜10日)

    群馬百名山4座・・・・・・栗生山  桐生市吾妻山   桐生市茶臼山  太田市金山  
    その他の山 ・・・・・・・・赤城鈴ケ岳  高田山・石尊山


高田山(1212m)・石尊山(1049m)

群馬県 2011.05.09 単独 マイカー 高田山一等三角点
コース 駒岩公民館(5.00)−−−鳥居(5.20)−−−ジクザク登り終る(5.35-5.40)−−−獅子井戸−−−道標・左へ直角に曲がる(5.50)−−−石尊山(6.00-6.05)−−−高田山(6.45)−−−石尊山(7.10)−−駒岩公民館(7.50)
石尊山への途中の新緑
昨日は群馬百名山の4座など合わせて5座を登ってから、渋川市の“道の駅おのこ”で一夜を過ごした。

今朝道の駅を出て、登山口の駒岩公民館着が4時50分、支度を整えて5時に出発。
公民館のたたずまい、登山口の様子や道標など、何となく記憶の隅にひっかかっていることに気付いた。登山道の入り口には山ヒル避けのスプレー、これも記憶にある。

一等三角点の山としていつかは登りたいと心に引っかかっていた。実はそれを今日実現するべくやってきたのだ。
そうなんだ、いつの日だったかは思い出せないが、この山は確かに登っている。忘れていたとは何ということか。これから雨になるかも知れないという条件を押して登り始めたのに・・・・・

しかしこれでやめるのはもったいない。何回登ってもいいじゃないか。歩くうちにさらに記憶は蘇ってきた。あれは秋だった。それまでに見たこともないような紅葉に感動したっけ。

紅葉の美しい山は、また新緑が美しいことでも知られる。今がその新芽から若葉にさしかかるまさに新緑の季節。この緑の色あいはどうだ。柔らかで透き通って、目が洗われるようだ。

いい気分で歩いていると、じぐざぐ登りが終わったあたりでとうとう雨となってしまった。雨具をまとって石尊山をめざす。
雨は残念だが、その分新緑はまた一際映えている。

風雨の高田山山頂 雨に打たれるシャクナゲ
雨の中、石尊山まではきた。今日はここで引き返してもいいという気持ちもあったが、やはり目の前の高田山へ登らずに戻るのは惜しい。雲に隙間があるのか、こぼれる陽光に美しく虹がかかっいる。珍しいものでも見るようにしばらく見入った。

高田山方面を見るとこの石尊山からそれほど遠いとは思えない。行くか戻るか結論が出ないうちに足はもう高田山へ向かって歩き始めていた。
なぜか北斜面だけにシャクナゲが咲いている。ほとんどはツボミだ。
高田山までは痩せた稜線で岩場も多い。濡れた岩にスリップしないよう細心の注意でいくつも突起を越えていく。越えた突起は7つほどあったような気がする。

痩せた岩稜は風が強く、風雨が横からたたきつける中、石尊山から40分ほどで山頂へ到着。2度目の山頂からは、雨に煙る山が薄ぼんやりと見えるのみ。風雨に追われて山頂をあとにした。



帰宅してから調べると、やはり7年前、2004.11.4日に登っていた。そのときの往復は2時間40分、そして今回は
2時間50分。足はもっと衰えているかと思ったが、まだかなりいけそうだ。(ただしそのときは朝から子持山へ登り、その直後に高田山と続いているので条件はかなり違います)

それにしても一度登った山をきれいさっぱりと忘れていたとは我ながらあきれてしまった。1700以上もの山へ登っていると、到底全部はおぼえていきれないのも致し方ないところ、年寄りのボケだけの問題ではない・・・・と自己弁護しておこう。



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一等三角点 高田山(たかだやま(1212m)

群馬県 2004.11.04 単独 マイカー 一等三角点
コース 駒岩公民館(9.45)−−−獅子井戸の水場(10.25)−−−稜線(10.35-10.38)−−−石尊山(10.50)−−−高田山(11.10-11.25)−−−石尊山(11.45)−−−獅子井戸の水場(12.00)−−−駒岩公民館(12.25)
高田山一等三角点

足にまかせてのスピード登山。

早朝、子持山を登ってから高田山へ移動してきた。
国道353号線を西に向かう。中之条町でそのまま353号を走り四万温泉方面へ。高田山の真東に位置するあたりに駒岩という小さな集落があり、道路左側に大きく「高田山、石尊山」の看板がある。この看板のある旧道に入るとすぐに「駒岩公民館登山者駐車場」の表示があり、公民館前の小さな駐車場へ降りて行く。駐車スペースは4台程度。

公民館から車道を30メートル行くと、石垣に「石尊山・高田山登山道入口」の大きな看板がある。坂を上がって民家の間を通り抜け、山道へと入って行く。道標がきちんとしているので助かる。

杉林の中を進むと石の鳥居をくぐる。スプレーが備えつけてあり「吸血性の山ヒルがいます。忌避材として10%の食塩水が入っています。靴やズボンに吹きつけてください」と書いてある。町の親切さに感謝。しかしこの時期はもうヒルの心配はないだろう。

鳥居の先からは落葉樹林に変る。気がつくと男性が一人ついてくる。抜かれまいとしてジグザグを切りながら早いペースで高度を上げて行く。汗がとめどもなく流れ落ちる。今の私としては精一杯に近いペースだが、男性はさほど離れずについてくる。彼も健脚だ。樹種はカエデが目立ってきて、あたり一面を紅葉が覆いつくしている。みごとな紅葉だ。まさに紅葉のトンネルを行く気分とでも言うべきだろう。さらに紅葉は石尊山あたりまでたえることなくつづく。気付いたのは樹林の林床が箒ではいたようにきれいだということ。雑木一本混じっていないと言いたいほどだ。そこに落ち葉が積り、異空間にでも入りこんだような整然とした美しさがあった。

高田山の紅葉
“獅子井戸の水場”という標柱が目につく。しかし水場らしいものは見当たらない。昔は付近に水でも出ていたのだろうか。出発してから50分、紅葉に彩られた稜線へ登り着いた。ここで水を一口飲んで休まずに先へ進む。男性まだあとについている。稜線通しに紅葉を眺め、急な勾配を登りきったピークに“石尊山 1049m”の表示があった。小さな石祠がまつられている。展望については、高田山山頂よりこのピークの方が勝っていた。高田山はあと一投足のところに見えたので、簡単に眺望を確認しただけで先を急いだ。
ところが石尊山からは痩せた岩稜となり、さらに急峻で顕著な突起を3つも上下していかなければならなかった。かなり飛ばしてきた足には、この登り降りの繰り返しは十分過ぎるほどこたえる。男性もだいぶ遅れたようだ。
邪魔になったストックを残して、胸を突く急登を両手を使って木や岩にすがりながら踏ん張ると、ようやく目的の山頂に達した。脚力以上に頑張り過ぎて、さすがに脚の疲労が強い。
一等三角点は頭部が少し欠け落ちている。訪れる人も少ない山と聞いていたし、私自身も知らなかった山だが、けっこう登る人がいるのかもしれない。これで群馬県の一等三角点のうち標高500メートル以上の山は全部登り終った。

山頂は、秋の終りを告げるススキの穂が、背丈以上に延びて展望はイマイチ、ススキや潅木の隙間から浅間、妙義、榛名、赤城などの山々が望めた。山座同定、そして写真を撮り、食事をしていると男性が登ってきた。

帰りに石尊山のピークでもう一度眺望を確認する。北の稲包山、白砂山、東の足尾山塊、日光連山など・・・。そして紅葉に染まりながら駒岩目がけて一気に下った。

紅葉の山も多くあるが、カエデの赤のみごとさと広がりはこれまでにないもので、強く印象に残った。「紅葉山」とでも名前を変えたいほどだった。
中之条観光教会のHPによると、高田山まで登り2時間、下り1時間20分となっている。高低差は700メートル余、最後の険しいアップダウンを考えると、これでも普通の登山者にはかなり早いペースかもしれない。