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信越トレイル(5 )
伏野峠~花立山
(1070m)~大神楽山(1095m~関田峠

長野・新潟県 2009.10.31 単独 マイカー自転車・列車 地図 柳島 花立山 三等三角点
大神楽 三等三角点
関田峠(6.10)===自転車===戸狩駅(6.50-7.07)〓〓〓JR飯山線〓〓〓西大滝駅(7.27)---ヘアピンカーブ(7.50)---ロス47分---ヘアピンカーブ(8.40)---用水池(9.10)---伏野峠(10.35)---幻の池(11.25)---宇津ノ俣峠(11.55)---休憩(12.05-12.25)---花立山(12.40)---牧峠(13.00)---休憩(13.15-13.20)---梨平峠(14.00)---関田峠(14.25)
どこまでつづく伏野峠への道

マイカー、マウンテンバイク、それに列車を組み合わせてのプランを作り、信越トレイル第5セクションを歩いてきた。

マイカーにマウンテンバイクを積んで関田峠へ。峠にマイカーを残して、飯山線戸狩野沢温泉駅までマウンテンバイク。JR飯山線で西大滝駅下車。ここが本日のスタート地点となる。

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関田峠に着いたときはまだ暗かった。明るくなるのを待ってマウンテンバイクで下り一方の道を駆け下る。先週この道を同様に下ったときは寒かった。今回着衣・手袋等防寒にも配慮してきたので快適。1週間前みごとな色彩を誇っていた紅葉は、もう時期を過ぎていた。

戸狩野沢温泉駅まで距離15.3km、所要時間は40分。7時7分発の十日町行きに乗車、列車は1両編成のワンマンカー、乗客は3人、朝霧の中をのんびりと走って西大滝駅着7時27分。
無人駅を出て左へ進み、すぐにまた左折して飯山線の踏み切りを渡る。絵になりそうな雪国の民家を見て少し進み、また左折。あとは道なりに進んで、橋を二つ渡ったところを右折して山側へ向かう。
駅から20数分のところで、急なヘアピンカーブにさしかかる。ここが国地院の地図で調べておいたポイント、歩いてきた立派な車道から直進する枝道(林道)が分かれていた。地図には記されてはいるが頼りない道だ。しかしこれをたどれば登山口となる伏野峠までかなりの時間が短縮できるはず。

幻の池
通り合わせた車に牧峠への道を聞かれて、地図を見ながらああだこうだと10分近く説明。さて私の方は頼りない林道へ足を踏み入れた。ところが舗装されてはいるが草が生い茂り、2、3分も進まないうちに何とか道型が感じられほどに覚束なくなってきた。地図にある道だから踏跡程度は探っていけるだろうと、たかをくくって藪同様の道を進む。20分ほど進んだところでギブアップ、けもの道さえわからない。
引き返すことなど考えずに藪を分けてきたため、今度は帰りのルートがわからない、すぐに方向感を失ってしまった。

何とかヘアピンカーブの地点に戻ったが、45分前後のロスをしたようだ。これまで1000回以上の登山をしてきた中で、この程度のことは珍しくもないが、なぜかこの疲労が最後までたたってしまった。
腹をくくって、このあとは曲がりくねって、距離ばかりが異常に長い舗装道を、てくてくバカのように歩く。今日はジョギングシューズで来たのがせめてもの幸い。

途中、二つ並んだ溜池の紅葉にしばしみとれる。
駅からの登山口伏野峠までの高低差は700数十メートル、いいかげん足も疲れてきた。ようやく着いた伏野峠。ロスも含めると駅から3時間を要した。槍ケ岳、穂高岳登山のおり、上高地から横尾までのアプローチとほぼ同じだが、今日は高低差700メートルと藪こぎというおまけがついている。

峠には駐車している車が3台、登山口に信越トレイルの道標と案内板が立っている。1、2分の立ち休みで関田峠への縦走路へ足を踏み入れる。急な階段登りのあとすぐに下降、本日のコースは大きな登下降はないが、降りては上り、上っては降り、これを何回も何回も重ねていくことになる。地図を見てものそことはよくわかる。
本日の第5セクション伏野峠~関田峠間は、最高地点が1140m、最低地点が970m、その差はわずか170m。これだけ見ると漫歩気分になってしまうところだが、実はうんざりするほどのアップダウンは思ったほど楽ではない。

ブナの道
白神のように全山ブナに覆われているという山ではないが、大きく天を突くように育ったもの、風雪に抗うように捻じ曲がって生き抜いてきたもの、そんな姿を見ながらブナ林の心地よさを感じる。
峠から50分ほどで幻の池に着く。とりえもないような小さな池だが、モリアオガエルの産卵が見られるのだという。

幻の池から30分で宇津ノ俣峠、登山道整備のおじさん二人が食事をしていた。飯山市と上越を結ぶ峠道だったのだろう。うら淋しく昔をしのばせる峠だった。しばらく二人と話をしてから峠からの登りにかかる。これが何回目の上りになるのかまったくわからない。
なぜか今日は疲労の進み具合が早い。朝から休み無しで4時間以上、そろそろ休みたくなっていた。小さなコブの日あたりの倒木に腰を下ろして休憩かたがた昼食。

風もなくうらうらと柔らかい晩秋の陽ざし、20分休んだらまた元気が少し回復した。
同じようなアップダウンを繰り返し、小さな刈払いのてピークに立つと、三等三角点の標石と“花立山”の道標がある。

落ち葉の下に濡れた枯れ枝が隠れていて、脚を滑らせ激しく転倒してしまった。くるぶしあたりをしたたか叩きつけるように強打、捻挫?骨折?と思われるような痛みに襲われる。痛みはあるが歩くことはできた。

ときおり遠く見えるのが鍋倉山、藍色にかすんで遥かに遠い。あの手前の関田峠がゴールだが簡単には行き着けないような弱気が去来する。

静まる無名の池
花立山から100メートルほど高度を下げて車道へ降りた。牧峠である。ゴールの関田峠まで残り4.5キロ、伏野峠から3分の一を消化したことになる。早く今日の行程を終わりにしたい。気持ちが前向きになれない。楽しむ余裕を失っている。脚の痛み、疲労のせいもあるだろう。

牧峠からも上ったり下りたりは相変らずで、1キロほど進むと小さな池がある。名前もなく地図にも表示のないひっそりとした池だ。
また一つのピークに立つ。三等三角点標石がある。あとで調べたら点名は“大神楽”、本日の行程では最高点だ。山名表示はされていない、大神楽山とでもしておこう。そこから緩やかな道を進むと梨平峠、上越市梨平からの登山道が合流している。
ここまでくればやれやれだ、関田峠まで残り1.7キロ。いったん下ってから登りかえすと待望の関田峠。天気は終日の好天、それなのに本日はイマイチ気が乗らないままに終ってしまった。

デポしておいたマイカーで戸狩駅へ。マウンテンバイクを回収して帰路についた。

ちなみに伏野峠~関田峠の行程は、信越トレイルのオフィシャルサイトによると6時間、他のサイトでは休憩を除いて4時間15分、本日の私の所要時間は休憩を除いて3時間20分、脚の痛みを考慮すればまずまずというところか。