UNCLEおじさんの言いたい放題

11月号御報告(その2)です

 毎度御愛読ありがとうございます。
 前回に引続き合宿報告をしようと思いましたが、2面で十分と言う編集者のご指摘があり、合宿報告はそちらを参照していただくとして附随するコンサートのお話を少し。
 昨年から合宿の前段で大規模なコンサートを組み込み始めました。
 もちろん今までの合宿でもコンサートはやっていましたが、観客は合宿参加者+αというところで非常にさみしいコンサートではありました。
 昨年から始めたコンサートというのは地元のバンドを中心にして開き、そこに日音協のバンドが加わるというかたちにしました。
 地元のバンドは多かれ少なかれ地元の観客を呼べる人達で、いわば発表の機会を欲しているやりたがり、聞かせたがりの人達です。
 そこでチケットの割り振りを多く売ったバンドほど持ち時間を多くする、という方式をとりました。
 チケットは550枚程売れまして、(一枚¥1.000)内訳は他県から来る日音協バンドは最大10枚、持ち時間10分。
 地元周辺のバンドは最大20枚、持ち時間20分。
 地元のビックバンドはなんと250枚、ということで1時間やってもらいました。
 ちなみに私のバンドは義理も含めて100枚売りましたが、ホストバンドということで遠慮して15分のステージでした。
 チケットの売れ行きの割にはちょっとさみしい観客でしたが、中央の音楽祭なみの観客が集まりました。
 各々はお目当てのバンドを聞きに来たのでしょうが、結局その他のバンドも聞くことになり、宣伝効果もバッチリです。
 大事なことはいかに私達の音楽が素晴しいと自負していても聞いてもらわなければなんにもならない、ということですね。
 中央の音楽祭も開催方式を考え直す時に来ているでは、ということで今回は数字のマジックについて。
 よく新聞等に統計数字がでていることがあります。
 最近では日本人の平均寿命について、女性は84歳で例年と変わらぬものの男性のほうはリストラやらなんやらで自殺が増え、77歳まで下がったとか。
 リストラによる自殺といえば10数年前国鉄民営化のおり大量の自殺者が増え、鎮魂歌として「天国のおとうさん」なんて歌が群馬の国鉄職員によって発表され、日音協でも盛んに歌われましたね。
 その時の男性の平均寿命はいくつだったのでしょう。
 社会現象としては自殺者増大は大きな事件ですが、平均寿命として考えると数字のマジックに陥りやすいですね。
 平均寿命77歳というと、誰もが77歳になると死期を迎えると思ってしまうところがマジックなんですね。
 平均というのはその数字の例が一番多い、というのとは違い、平均寿命でいえば100 歳以上生きる人もいれば不幸にして出産時に死んでしまう人もいる訳で、あくまで数字上の平均なんですね。
 もっとわかりやすい例で言えば、10数年前に発表された日本人の平均貯蓄額の500万円等がいい例です。
 平均500万円と言われるといかにも殆どの家庭が500万円の貯蓄があるように錯角してしまいます。
(もちろんうちには全然ありません)(T▽T)アハハ!
 仮に10人を対象に平均を算出した場合500×10=5000万円が貯蓄総額ですが、100万円貯蓄のある人が9人いると、その合計が900万円、これだけではとても平均貯蓄額500万円とはいきませんが、残る一人が4100万円持っていれば総額5000万円となり、めでたく平均は500万円となります。
 数字の場合はそういうマジックがありますが、音楽ではどうでしょうか?
 曲で言うと、大雑把に分けて「いい曲」「普通の曲」「どうでもいい曲」とすれば平均的な曲は「普通の曲」ですが、それが一般的かというとそんなことはありませんね。
 やっぱりヒットする、感動できるのは「いい曲」でしょうね。
 バンドで見てみましょう。
 平均的レベルの演奏力のあるバンドにひとり抜群の演奏力のある人が入ったとします。
 数字上では平均レベルよりも少し上、というところですが、出来上がる音楽としては非常に高レベルなバンドとなる可能性があります。
 逆に平均的レベルの演奏力のあるバンドにひとりへたくそが入ったとします。
 そのバンドは平均的レベルの維持はおろかとてもへたくそなバンドになってしまいそうですね。
 プロでも結構こういう例は多いみたいですね。


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